人気のカスタム「VIPカー」のなかには地方色がある! ファンから熱視線を浴びる「仙台仕様」ってなに? (2/2ページ)

ホイール選びも重要!

・ホイールはディッシュ感を意識したディープリム

 VIPカー三要素のもうひとつ、ホイールの選択は全体のキャラクター付けに大きな影響が出るのでこれもまた重要です。

 VIPカーのスタイルとして、ベースに「AMG」や「ロリンザー」、「ブラバム」といった欧州の高級車ベースのカスタムブランドの存在感がお手本という面があり、ホイール選びの傾向もメッキ仕上げでディッシュ感の強い「ユーロスタイル」のものが主流になります。

 そして、ボディとの面一感を出しながらも、ホイールのワイドさを強調して迫力を増すために深いリム(ディープリム)で奥行きを演出するのも好まれる手法となっています。

・フェンダーは叩き出し&アーチ上げでネガキャンにフィット

「仙台仕様」に多く見られる特徴として「ネガキャン」が挙げられると思います。「ネガキャン」とはネガティブキャンバーの略で、ホイールを前後方向から見て「ハ」の字に傾けることをいいます。

 本来はコーナーリングの度合いに合わせておこなうものですが、ドレスアップカスタムの世界では、ワイドホイールをフェンダーに収めつつ、下側を外に張り出させて踏ん張り感の強いシルエットを演出するためにおこなわれています。

「仙台仕様」では、以前からボディメイク技法にこだわる傾向も見られるので、フェンダーの叩き出しをネガキャン化と同時におこなって、より一体感を強める仕上げが特徴のひとつとなっているようです。

・エアロは内巻きが主流で加工によるフィット感の高さも見どころ

 上記のようにボディメイクの手法にこだわる傾向のある「仙台仕様」では、エアロの装着の際もひと手間加えて仕上げるのもその延長線上にある特徴といえるでしょう。

 とくに「洗練」を意識する作り手は全体のまとまりを重視する傾向にあり、ボディの面一感やシルエットをスッキリさせるため、バンパーやエアロパーツを短縮加工してから装着することも少なくないようです。

 これには少なからずノウハウや手間が必要になるので、一般的なカスタムをおこなうところではコストを考えて敬遠することも少なくないと思いますが、理想的な仕上がりを求める作り手は手間を惜しまずこだわりを実現するので、それがVIPカスタム上級者から高評価を得る要因にもなっています。

 先にも触れましたが、昨今にわかにまた盛り上がりを見せるVIPカーのカスタムシーンで、この「仙台仕様」があらためて注目を浴びだした気配があります。

 中心の車種となる20、30系セルシオやクラウンマジェスタ、シーマなどの車種は、いまでは旧車の扱いになってその付加価値も加わっているようで人気も再燃していますので、もしVIPカーをまた始めたいと思っている人は、ベース車の購入時期を検討したほうがいいかもしれませんね。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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