商用車や輸出仕様には今でもMTが用意されている
トヨタ・エスティマ エミーナ/エスティマ ルシーダ
1990年に日本で販売が開始されたエスティマは、ミッドシップレイアウトながらエンジンを傾けて搭載することでフラットな床面を実現するなど画期的な1台で、メーカー自ら「天才タマゴ」と称するほどだった。
ただ、もともと海外市場をメインに開発されたものであったため、当時としては幅広なボディが日本国内では不評で、1992年に全幅を狭めて5ナンバーサイズに収めたのがエスティマエミーナ/エスティマルシーダだ。
基本的にはエスティマのメカニズムを共有していたが、エスティマにはないディーゼルエンジン仕様や5速MTが用意されていた点が大きな違い。しかし、MTはのちにディーゼルモデルのみの設定となってしまった。
日産NV200バネット
現在はライトバンとしてだけではなく、車中泊やアウトドアレジャーを楽しむユーザー向けに、メーカー自ら「マルチベッド」なるモデルもリリースしているNV200バネット。
また、海外にも他ブランドへのOEMモデルを含めて多く販売されているため、どことなく輸入車的な雰囲気も備わっていることから、輸出仕様カスタムなどのドレスアップカスタムのベースとしても静かな人気を集めている。
そんなNV200バネットのバンモデルには、2021年7月まで5速MTがラインアップされており、チューニングこそ異なるものの、ノートNISMO Sなどにも搭載されたHR16DEをMTで操る喜びが味わえたのだった。
このように過去にはそれなりに存在していたミニバンタイプのMT車だが、当時はまだまだMT車に乗り慣れたユーザーが多かったこともあってラインアップされていたのだが、ATユーザーの増加に伴って姿を消したというのが現実。
ただ、ビジネスに供されるモデルや輸出仕様のあるモデルにはMTが残されることもあるので、MT派のユーザーも諦めずにこれらのモデルを狙ってもらいたいところだ。