この記事をまとめると
■ファミリーカーであるミニバンだが一部車種にはMT設定があった
■昔はMT車に乗り慣れたユーザーが多かったことも理由
■現在でも商用モデルや輸出仕様のあるモデルにはMTが残されていることがある
かつてはミニバンにもMTがあった
近年ではスポーツカーなど、わずかな車種のみに残されたマニュアルトランスミッションは、あえて選ぶツウ好みの選択肢となっており、日常的にクルマを使用する人にとってはイージードライブな2ペダルが主流となっている。
そのため、ファミリーカーとして根強い人気を誇るミニバンは、いち早くATのみの設定となったモデルも少なくなく、FFレイアウトのミニバンの元祖ともいわれるステップワゴンなどは、1996年に登場した初代モデルからATのみのラインアップとなっていた。
しかし一方で、MTを残していたミニバンもごくわずかながら存在する。今回はそんなMT設定のあったミニバンを振り返ってみたい。
日産セレナ(C23型)
現在も日産の人気車種のひとつであるセレナ。その初代モデルには4速ATのほか、5速MTもラインアップされており、当時はまだウォークスルーもそこまで一般的でなかったため、シフトノブはセンターコンソールの位置に備わっていた。
また、駆動方式がFRで、エンジンラインアップのなかにシルビアにも搭載されたSR20型エンジンもあったため(ただしNAエンジン)、近年では「シルビアミニバン」と称されることもあるようで、密かに注目を集める1台となっている。
三菱デリカスペースギア
現在も販売中のオールラウンダーミニバン、デリカD:5の一世代前のモデルとなるデリカスペースギア。こちらもパジェロをベースに開発されたモデルで、ハイルーフタイプのミニバンでありながら、いち早くフロントエンジンレイアウトを採用していたことでも知られている。
そんなデリカスペースギアは、パジェロ譲りの走破性の高さが魅力で、ATが主流ではあったものの、当初は多くのグレードに5速MTが設定されていた。
しかし、時代の流れもあって徐々にラインアップを減らしていき1998年6月には4WDモデルのMT車を廃止。2002年頃には最後に残った2WDのロング10人乗り仕様からもMTが消滅してしまった。