この記事をまとめると
■ポルシェは最高峰のスポーツカーでありながらスーパーカーという扱いを受けていない
■理由のひとつに「もともとはGTカーメーカー」だったという経緯がある
■スーパーカーと並んでも引けを取らない唯一無二の風格がポルシェにはある
ポルシェはなぜスーパーカーではないのか
「昔からポルシェはスーパーカーの仲間に入っていない感がありますが、なぜでしょうか」。
編集部から投げかけられたテーマですが、いってしまえば「GTカーメーカーだったから」にほかなりません。いまでこそSUVやEVセダンまでラインアップしているものの、それまでは「実用性」を犠牲にしない「そこそこスポーティ」なGTカーですから、スーパーカーのようなキラキラしたクルマとは一線を画しているわけです。
すると、バイザッハファンからは「959を思い出せ!」とか「カレラGTだってV10ミッドシップじゃ!」「911GT3なんて3000万円以上ですよ!」といったシュプレヒコールがあがりがち(笑)。ですが、ポルシェに言わせたら全部GTなわけで、スーパーカー要素なんてこれっぽっちも含まれていないのです。
無論、スペックを並べ立てれば、ポルシェは時代ごとに超一流のデータを引っ提げているわけで、スーパーカーの横に並んでも恥ずかしくないばかりか、凌駕することだってしばしば。ですが、性能さえよければスーパーカーかといえばちょっと違う気がします。スーパーカーの定義には人それぞれあるでしょうが、なかでも「危うさ」みたいな匂いは欠かせない要素かと。
どこもかしこも完璧で、「これなら安心して300km/h出せるぜ」なんてランボルギーニってありましたっけ? 120km/h越えたあたりから背中が猛烈に熱くなってきて「本当に324km/h出して大丈夫かいな」とF40で経験したことはありませんかね?
こうした「ちょっとヤバい感覚」がポルシェには微塵も感じられないこと、ご存じのとおりです。ちなみに「ポルシェはいつでも完璧でなければいけない」と、フェルディナンド・ポルシェ博士も遺しているくらいですからね。