シビックにも兄弟車多数!
●シビックフェリオ/コンチェルト→ドマーニ&インテグラSJ
ホンダの日本国内における兄弟車戦略は、ホンダの最長寿モデルであるシビックでも、4ドアセダンにおいてのみ展開されていた。
その最初のモデルとなったクリオ店扱いのコンチェルトは、1987年9月デビューの3代目シビックセダンをベースとして、1988年6月にデビュー。エクステリアは前後のランプ類やバンパー・グリルが見比べればわかる程度の「似て非なるもの」だったが、サイドビューは大きく異なる。
コンチェルトはシビックに対し全長が185mm長い4415mm、全高が35mm高い1395mm、ホイールベースが50mm長い2550mm(全幅は両車とも1690mm)とされたうえ、リヤクォーターウインドウのある6ライトウインドウとされ、パッケージングも別物となっていた。
加えて内装も、インパネが専用形状となり、木目調パネルや本革シートを設定するなど、シビックよりも高級かつ快適性を重視した設計となっていたのも見逃せない。
なお、コンチェルトにはハッチバックの5ドアセダンも設定されていたが、こちらはイギリスのオースティン・ローバー・グループと共同開発されている。
だがコンチェルトは1代限りでその役目を終え、1992年10月に初代ドマーニへとスイッチ。1991年9月デビューの5代目シビックフェリオ(4ドアセダン)をベースとしながら、内外装はまったくの別物に。若々しくスポーティなシビックフェリオに対し、ドマーニには上質で落ち着いたデザインが与えられた。
ドマーニのボディサイズはシビックに対し全長が20mm長い4415mm、全高が15mm高い1390mm、ホイールベースが同一の2620mm(全幅は両車とも1695mm)と、先代ほどの差は認められない。
しかしエンジンラインアップは大きく異なる。シビックフェリオは1.3リッターが1種類、1.5リッターが3種類、1.6リッターが3種類という極めて多彩なバリエーションを誇ったのに対し、ドマーニは1.6リッターが2種類と1.8リッターが1種類に絞られるとともに、やはりシビックより上級のモデルに位置づけられていた。
1995年9月に6代目シビックフェリオがデビューすると、その後兄弟車はさらに増殖。ベルノ店扱いのインテグラSJが1996年2月、2代目ドマーニが1997年1月に誕生する。
だがいずれもフロントマスクとランプ類を除けばシビックフェリオとの共通点が多く、その一方でエンジンバリエーションはシビックフェリオよりも少ないため、両車の存在感は低いものに。シビックが2000年9月に7代目へ生まれ変わるタイミングで、インテグラSJとドマーニはモデル廃止となった。