トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・スバルが速さと環境技術でしのぎを削る! スーパー耐久のST-Qクラスがいま面白すぎた!! (2/2ページ)

モータースポーツの舞台でカーボンニュートラルに挑む

 一方、スバル陣営に目を向ければ、Team SDA Engineeringの61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」もCNFの使用モデルで、吸気システムなどの変更により高出力化を実現したほか、2速および3速ギヤの強化を図るなど、細部のアップデートに余念がない。その結果、細かいハプニングが発生しながらも、61号車はクラス3位で完走を果たした。

 また、バイオディーゼル燃料を採用した55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」、CNFを使用した12号車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」とST-Qクラスに2台の開発モデルを投入したMAZDA SPIRIT RACINGも素晴らしい走りを披露。55号車はマシントラブルにより7位にとどまったが、12号車は61号車のBRZとわずか6ラップ差の4位で完走を果たした。

 さらに、NISMOもCNFを使用した230号車「Nissan Z Racing Concept」を投入。ハイペースでクラス首位につけていたのだが、レース終盤で他車との接触により足まわりを破損。その修復作業によってクラス2位でフィニッシュしたが、ST-Zクラスを凌駕するなど抜群のスピードを披露していた。

 そのほか、Team HRCもCNFを使用した271号車「Honda CIVIC TYPE R CNF-R」を投入しており、こちらはクラス6位で完走。

 このように、ST-Qクラスでは各自動車メーカーが激しいバトルを展開していたが、それと同時に日本の自動車メーカーが、モータースポーツを舞台にカーボンニュートラルに挑んでいることが感じられることも同クラスの魅力といっていい。

 富士24時間レースでは、マシンに関しても耐久方向に振った開発が行われていたようだが、通常の4時間レース、5時間レースではよりスピードを意識したセッティングが行われる傾向にあるだけに、今後もスーパー耐久ではST-Qクラスに注目したい。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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