ベルトーネが創立110周年にハイパーカーを引っ提げて華麗に復活! 6月9日に公開される「GB110」とは (2/2ページ)

カロッツェリアから自動車メーカーとして再出発するベルトーネ

 GB110のエクステリア・デザインは、ベルトーネの自動車レガシーを継承し、そのDNAを現代的に解釈したモデルといえる。

 1950年代から1970年代にかけての先駆的なベルトーネのデザインにオマージュを捧げ、独特な丸みを帯びたラインとシャープなエッジを融合させることで流れるような、そして現代のハイパースポーツを象徴するかのような美しいボディが完成されている。さらにカラボやストラトス・ゼロといった過去のプロトタイプからもGB110はいくつかのインスピレーションを得ているのがわかる。

 その統一されたコンセプトは「イタリアン・ジェントルマン」。GB110はどの角度から見ても力強く見えるよう、デザインされているのだ。さらにその形は機能に従うものであり、純粋に美的な装飾といえるものは存在しない。実際、エアインレットやそのほかの技術的要素にはすべて確かな機能がある。

 搭載されるパワーユニットの詳細はトップ・マークス・モナコで明らかにされる見込みだが、1100馬力の最高出力と1000Nmの最大トルクを発揮するマルチシリンダーエンジンが、7速のギヤボックスと組み合わされミッドに搭載されることは明らかにされている。

 最高回転数は8400rpmで、0-100km/h加速は2.79秒、0-200km/h加速で6.79秒、0-300km/h加速では14秒というテストデータが発表されている。最高速は380km/h以上。駆動方式は4WDで、ホイールベースは2630mmに設定されている。

 前後のサスペンションはダブルウイッシュボーン形式で、これに4ウェイの減衰力調整機能付きダンパーとアンチロールバー、コイルスプリングが組み合わされる。これによってオーナーは、好みのセッティングを生み出すことが可能になるのだ。

 これだけ高性能なエンジンを搭載しつつも、最新のユーロ6規制に適合するというGB110。GB110はプラスチック廃棄物から作られた燃料の使用が可能な初のハイパーカーで、ポリカーボネート素材を再生可能な燃料に変換する特許技術を開発したセレクト・フューエル社とベルトーネは現在提携関係にあるのだ。

 かつてのカロッツェリアから自動車メーカーへ。ベルトーネは見事に復活を果たした。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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突然思いついて出かける「乗り鉄」
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