この記事をまとめると
■エンジンの排気量によって車格や税金がわけられている
■排気量は3リッターという扱いでも厳密にはそれを下まわる中途半端な数字となっている
■税金区分のために少し数字に余裕を持たせている
排気量が中途半端な数字になっている理由
クルマのクラスわけのひとつに排気量の違いがある。軽自動車の660ccから1.3リッタークラス、2リッタークラス、3リッタークラスetc……。
しかし、この排気量、カタログを見ると決してキリのいい数字にはなっていない。
660ccといいつつ総排気量は658ccだったり、2リッターといいつつ1997ccだったり、スカイラインGT-RのRB26DETTなどは、2.6リッターといいつつ正確には2568ccで、けっこうアバウトな数字だったりするのだが……。
数字がピタッと揃えば気もちがいいのにと思うかもしれないが、ピストンが円形である以上、そうはいかない。
クルマのエンジンの排気量は、ボア×ストローク×気筒数で決まる。公式でいえば、(ピストンの)半径×半径×円周率×ストローク量×気筒数=排気量。
厄介なのは、円周率=πが、3.141592653589……と無限に続く数字であること。
通常は近似値3.14で計算するわけだが、そうなるとどうやっても1000ccピッタリ、2000ccピッタリ、3000ccピッタリというわけにはいかなくなる。
シリンダーが四角柱でピストンも四角なら、数字を揃えることも可能だろうが、円形のピストンで、円柱のシリンダーを使っている以上、円周率の関係でキリのいい数字は実現しない。
また自動車税が軽自動車、1000cc以下、1500cc以下、2000cc以下、2500cc以下……と、排気量別にわかれていることもあり、それぞれの数字をやや下まわるように設定するのもひとつのセオリー。
この微妙に足りてない数字のおかげで、エンジンをオーバーホールして、ホーニングやボーリングで排気量が少々増えたとしても、自動車税が変わらないで済むのもひとつのメリット!?
世の中にはなかなか割り切れないもののほうが多いので、エンジンの排気量が少々半端な数字であっても、寛大・寛容な心で受け入れてほしい。