贅の極みはLSかセンチュリーかLMか……グランエースもある! 国産車の後席でもっとも快適なのはドレなのか4台を比較してみた (2/2ページ)

ミニバンはやっぱり装備が凄い!

 次に、2020年(実際には2021年開催)の東京オリンピックでのVIP送迎需要を見込んで登場したトヨタ・グランエース。先代アルファード並みの後席が3列シートすべてに備わっていると話題になりましたね。6人乗りと8人乗りがあり、とくに6人乗りのゴージャスなシート「エグゼクティブパワーシート」は、リゾートホテルのラウンジにありそうなエレガントかつリラクシーな雰囲気です。

 ただ、ミニバンという見た目から想像するのとちょっと違うのは、そのスペース。じつはグランエースはベース車両となるハイエースの関係で、室内のフロアがかなりあげ底。乗り降りの際にも地上からヨイショと大きく足を上げて乗り込むことになります。もちろんステップは2段になっていますが、シートに座ってみるとあまり天井が高いという感じではなく、その代わりに窓からの見晴らしがいいところが特徴となっています。

 シートの機能としては、リクライニングや電動オットマン、アームレストやテーブルといった基本的なおもてなし機能は付いていますが、冷蔵庫やマッサージなどはナシ。なので一般的なミニバンから見れば豪華なシートではありますが、あくまでグランエースは「3列目シートも同じように豪華でゆったり座れる」というところに魅力があると考えられます。たくさんのゲストをおもてなししたいときにいいですね。

 さて最後は、中国ですでに富裕層から大人気となっており、ようやく日本でも販売されることになった、レクサスLM。こちらは巨体のミニバンなのに、当初は「たったの4人乗り?」と驚いてしまいましたが、のちに6座仕様も追加されました。でもやっぱりすごいのは4座仕様です。

 室内は「きっとプライベートクルーザーってこんな感じ?」というような、モダンで洗練されたゴージャスなシートがふたつ。運転席・助手席とは完全にパーティションで区切られており、必要に応じて小窓を開けて会話ができるようになっていて、曇りガラスで完全プライベート空間にすることも可能です。

 そしてそのパーティションは後席側がドーンと48インチの大型ディスプレイになっていて、その下にはシャンパンボトルが3本入る冷蔵庫を完備。シートはもちろんオットマン、マッサージ、格納式テーブル付きで、見上げれば左右別々にガラスルーフがあり、電動サンシェードも各窓に付いています。

 また、LSで紹介した「レクサスクライメイトコンシェルジュ」がさらにパワーアップ。パーティション上部中央に乗員と周辺温度を検知する「温熱感IRマトリクスセンサー」があり、エアコンやシートヒーターなどを一括コントロールして快適に保つほか、エアコン、シートポジション、サンシェード、照明などを統合制御する「リヤクライメイトコンシェルジュ」をレクサス初採用しています。

 Dream、Relax、Focusといったプリセットモードと好みでカスタマイズできるモードがあり、気分やシーンによって室内空間までが思い通りになるというのも未来的。シート素材はやはり最高級レザーのL-ANILINEで、すべての機能が取り外し可能なリアマルチオペレーションパネルで操作可能となっています。

 こうして比べてみると、センチュリーも捨てがたいですが、やはり天井が高く広い空間でゆったりできるという点も含めて、日本一の後席はレクサスLMといっていいのではないでしょうか。皆さんは、どの後席に乗りたいですか?


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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