この記事をまとめると
■2024年5月にジャパントラックショー2024が開催された
■「2024年問題対策にも効果的」として自社製品をアピールする展示もあった
■職場環境の改善を目指すのであれば賃金体系や仕事量の改善も進めるべきだ
ジャパントラックショーで見た2024年問題
ここのところ、バスやトラック、そしてタクシーが関係する重大事故が相次いで報道されている。関連づける根拠はないものの、感覚的には「2024年問題も影響しているのでは」とついつい感じてしまう。賃金体系をはじめ、労働環境を何ひとつ変えないなかで、時間外労働だけを厳しく管理するようになれば、当然「ひずみ」が発生するだろう。働き手がほとんど増えないなか、慣れない環境下で以前より限られたなかで減らない仕事量をこなすことになっているとも聞くので、一連の報道を見るとついつい関連づけようとしてしまう。
2024年5月に神奈川県横浜市で開催された、「ジャパントラックショー2024」の会場を訪れたのだが、会場内にブースを構える企業のなかには「2024年問題対策にも効果的」としてアピールするところも目立っていた。
完成車メーカーでは、「普通免許で乗れるトラックを含む貨物車」の展示が目立った。これは、「車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満、乗車定員10人以下」という要件を満たすことで普通免許での運転を可能としている。現在はまだラインアップされていないものの、2024年度中にはラインアップされる予定となっている。トラック運転士の慢性的な不足状況が続くなか、中型以上の免許を必要としないことで、運転士の確保を可能な限り容易にするものとして期待されている。
架装関係で興味深かったのは「オートフロア」というもの。展示してあったのはパネルトラックの荷台床部分に金属製のローラーを設置することで、荷物の出し入れを容易にするというものであり、その操作が電動で行えるタイプであった。それほど目新しいものではないものの、やはりここ最近は2024年問題対策として問い合わせも多くなっているとのことであった。
トラック運転士はただ運転して荷物を運ぶだけが仕事ではない、荷物の積み込み、そして荷下ろしも行わなければならない。労働時間が厳しく管理されるなかでは、荷物の積み下ろしに必要な時間を削ることにもつながるとして注目されているようである。