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ヘッドライトの検査が「ロービームのみ」への変更で「落検車」続出の可能性! 旧車乗りに突きつけられる厳しい現実

ヘッドライトの検査が「ロービームのみ」への変更で「落検車」続出の可能性! 旧車乗りに突きつけられる厳しい現実

この記事をまとめると

■車検時のヘッドライト検査がロービームのみとなる予定だ

■「平成10年(1998年)9月1日以降に生産されたクルマ」が検査対象となる

■年式が古いクルマでは車検に通らないケースが続出しそうという懸念が出ている

ロービームのみの車検に移行予定!

 最近話題になっているのが、車検項目であるヘッドライトの検査をロービームで行なうということ。車検では、光量と配光パターンが確認され、従来はハイビームでの検査だった。これはよく話題になる走行時の基本はハイビームだから、が理由となる。

 しかし、実際は走行時のほとんどのシーンでロービームが基本となっているわけで、現実に即して「車検時の測定をロービームで行う」ということになった。法律を改正して、2015年9月1日から「平成10年(1998年)9月1日以降に生産されたクルマは検査を原則としてロービームで行なう」ことに。計算してみるとこの仕組み、約9年も前から実施していて、それも対象になるのは約25年前のクルマからという条件も意外だ。そもそもすでに車検時にはやっていたというのが正直なところではある。

 この検査、もちろん実際にやっていたのだが、ロービームでダメな場合、経過措置として従来通どおりのハイビームでも測定して問題なければパスできるとなっていたので、表立って話題や問題にならなかったというのが実情。ちなみに車検ラインの計測機器が対応できないところがあって、その場合もハイビームでの検査となっていた。

 そしていよいよ、2024年8月1日以降はロービームによる検査とし、ハイビームは不可ということになって、最近話題によくのぼるようになったというのがこれまでの流れだ。ただし、全国に10ある運輸局のうち、6つで実施延期。北海道、東北、北陸信越、中国の4つでのみでの実施となったのは、いきなりつまずいた感じは否めない。理由は機器の問題としている。

※さらに記事公開時点でロービーム検査への移行の2年延長が発表された。

 ユーザーとしてはローでもハイ、どちらでもいい気がするが、問題があるからここにきて騒ぎになっているわけで、理由はローのほうがハイよりも暗いということ。もちろん新車状態ではパスするように作られているので、なんら問題ないが、多くの人の悩みが表面の黄ばみや白濁してしまった場合だ。さらには内部の反射板の劣化、バルブの消耗など、光量が落ちる要因がヘッドライトにはたくさんある。

 実際、ロービームでは落ちて、ハイビームで再度測ってもらってなんとかパスできたという例も身近にあるだけに、問題は深刻だ。磨いたり、バルブの交換などで対処できればいいが、社外のLEDバルブへの交換は不安が大きい。また、反射板の劣化ともなると新品に交換する必要が出てくるなど、費用も手間もかかる。部品が出ない場合も考えられる。対応の年式がけっこう古くなるので、落検するクルマが増えるのは確実だろう。

 ロービームとハイビームの光量には差があるとはいえ、それほど大きなものでもないのが実際のところ。そもそも運輸局側も対応できていないわけで、今までのような柔軟な対応でいいと思うが、一度決まった法律は元に戻すのはかなり大変なだけに、頭が痛いところだ。

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