意外にもスポーツカーでも対人・対物の等級が低いモデルもある
■「型式別料率クラス」の具体例を紹介
「損害保険料率算出機構」では基準料率を検索して見ることができるので、いくつかの車種をピックアップして見てみましょう。
料率は、自家用の普通車と小型車が1~17の17区分、軽自動車は1~3の3区分となっていて、数字が多いほど保険料が高くなります。
1)日産GT-R(R35)
価格が高いので車両保険の料率が高いのはわかりますが、上で例に挙げているような使われ方をしているのでリスク率も高いと考えていましたが、対人と対物は想定とは逆に最低クラスの料率となっています。
2)日産スカイラインGT-R(R34)
乗られ方を考えるとR35GT-Rよりも料率が高いかと想像していましたが、こちらも最低クラスで意外でした。
3)トヨタ2000GT
こちらは日本に何台残っているのかというくらい希少で、取引価格も1億円以上という国産車ではもっとも特殊な部類のクルマなので乗られ方もおとなしいのでは? と想像しますが、意外にも車両保険の料率は低く、対人の料率が突出していて逆の結果に感じます。
4)トヨタ・プリウス
では逆に、ふつうのクルマ代表として、まずはトヨタ・プリウスを見てみると、対人、対物、人身ともに高い数値です。車両保険の料率も価格の割に高い印象です。契約数で分散できないくらい事故の数が多いということなのでしょうか?
5)ホンダ・フィット
同じく、ふつうのクルマ代表のホンダ・フィットはどうでしょう。こちらはプリウスと比べると全体的に料率が低く感じます。同じ大衆車という分類のクルマだと思いきや、用途や台数の違いが現れているということでしょうか。
6)スズキ・アルト
軽自動車代表として、スズキ・アルトはどうでしょう? こちらはほぼイメージどおりに各料率が最低クラスという結果が出ました。これはいままでの流れからすると逆の意味で意外です。
7)フェラーリF40
高価なフェラーリのなかでも特別な存在であるF40は、料率も特殊でした。5億円以上という驚きの落札価格も出たということを反映してなのか、車両保険の料率は最高グレードの17です。一方で対人が13と極端に高いのはなぜでしょう? 契約数が少なすぎなのか、あるいは構造上の問題なのか、謎ですね。
と、イメージしたものとはかなり違う結果となりました。対人・対物・人身傷害の主要項目に関しては、スポーツカーより大衆車のほうが高い料率という傾向はイメージとは真逆の数値でビックリです。それでもこの料率については、単に使われ方の傾向だけでなく、実際の事故の数や、車両の構造、安全装備などのいろんな要素によって決められるというのがなんとなく実感できたような気がします。さらには実際に契約するときの料率はその保険会社によって異なりますので、この検索結果はあくまでも参考に留めてください。
この「型式別料率クラス」については「損害保険料率算出機構」の下記ページで調べることができるので、興味ある人は覗いてみましょう。
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/automobile/vehicle_model/