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新車購入は「入社1年目の新人」だと好条件が引き出しやすい! ただし「もう辞めました」のリスクもアリ!! (2/2ページ)

新車購入は「入社1年目の新人」だと好条件が引き出しやすい! ただし「もう辞めました」のリスクもアリ!!

この記事をまとめると

■5月の連休明けに4月入社の新人社員が退職するという報道がされていた

■自動車ディーラーも新入社員離職率が高く1年後には8割近くが退職している場合もある

■今後は「セールススタッフ型ロボット」との商談の時代がやってくるかもしれない

かつては新車販売のセールススタッフはかなり流動的だった

 最近は新入社員が4月1日、つまり入社直後に「退職代行業者」を使って退職してしまうというトピックをメディアが相次いで報じていた。そして、今度は大型連休明け直後に新入社員の退職が続出するのではないかと報じはじめている。

 まあ新入社員だけではなく、雇用した企業側も「ミスマッチ」状態を放置しておくのはけっしていいことではない。いまどきの企業なら、その辺りも「リスク」として含んで採用活動を行っているだろうから、「外野」が面白おかしく扱っているだけの話かもしれない。

 過去には新車販売のセールススタッフはかなり流動的(転職を繰り返す)であった。新車を契約し納車となったあと、初めての無料点検の日程を決めようと店舗に電話すると、「担当セールススタッフは退職しました」ということもザラであった。昭和や令和初期では「個人情報」というものはあまり重視されず、セールススタッフが各々の顧客を管理し、同業他社へ転職するときには顧客名簿を持って退職し、転職先での販売促進活動に活用していた。転職を受け入れる側も「顧客名簿付き」で転職を受け入れていた。

 最近の報道を見ていると、「希望部署に配属されなかった」とか、「事前に聞いていた話(思っていたのと)と職場の雰囲気が異なる」といった理由で入社早々に退職する新入社員がいるとのこと。新車販売の世界は就職活動中に説明を受けても、その仕事の本質を理解することはまず不可能(他の仕事も同じとは思うが……)。当時は入社後に最低限の座学を受け、入社後1カ月経過あたりで正式配属先にて新車販売活動を開始するのが一般的だったので、まさに「なんか違う」と思うのも当たり前であった。

 それでも自分で選んだ仕事ということで一生懸命取り組むのだが、聞いた話では1年後ぐらいには、新卒で一斉採用したセールススタッフのうち8割近くが退職したといった話も聞いている。史上もっとも新車が売れていたバブル経済のころは、「セールススタッフがいればいるほど新車が売れた」というのもまんざら嘘ではない世の中だったこともあり、また新卒採用者の退職を考慮して、常時中途採用での募集を行っていたので、多くの新人が退職してもそれほど困らなかったという話も聞いている。

 個人情報の取り扱いが厳密になると、そう簡単にセールススタッフも業界を渡り歩くことができなくなった。働き手不足が深刻とはいわれるものの、バブル期以降しばらくは新卒一斉採用人数もかなり多かったこともあり、その世代がボトルネックとなってここ最近は中間管理職以上に限ればやや「人あまり」なようで、若手や中堅はなかなか昇進できないといった話も聞いている。しかし、「昇進しても役職手当てがたいしてつかないのに責任だけ増す」と、管理職ではなく現場のセールススタッフのままでいいという傾向も目立っているようだ。

 このように、働き手不足とはいうものの、それは販売現場最前線での話というのも正直なところ。また、新型コロナウイルス感染拡大、その後の納期遅延の混乱、そして諸物価高騰などによってディーラー収益がかなり厳しい状態でもあり、昨今の新卒採用は最前線で働くセールススタッフが十分ではないが、それを改善できるほどの規模の新卒採用もできず、定年退職などで抜けた穴をふさぐような、「人員補充」レベルという規模縮小気味の採用となっているようである(ある意味少数精鋭?/もちろんディーラー個々で状況は異なる)。

 また、最低限の座学を経て独り立ちということもなく、数カ月かけて「インターン」のように、一定地域内の店舗への仮配属を繰り返し、そして数カ月後に正式配属先で販売促進活動を始めるといった流れになっているようである。

 過去には新車販売業務に限った話ではないが、「教えてもらうのではなく先輩の仕事を見て覚える」といった職人気質のノリが広く一般企業でも目立っていたが、能動的な対応が苦手で、とくに仕事では受動的な対応に終始しがちといういまの若い世代には通用しない(指示された仕事はしっかりこなす)。先輩を指導教官役として新人につけることになるようだが、指導方法次第では指導教官役の先輩が「パワハラ」や「セクハラ」などで訴えられかねないので、新人育成を買って出るような先輩セールススタッフもなかなかいないようである。

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