この記事をまとめると
■日野自動車が誇る大型観光バスが「セレガ」だ
■車名の由来は「セクシー」&「エレガント」を合わせた略語だ
■2024年2月の改良で進化したセレガのポイントを解説
安全装置をブラッシュアップ!
「セレガ」は、日野自動車が誇る大型観光バス。そのネーミングは「セクシー」と「エレガント」を合わせた略語である。すなわち、デザイン性を重視したバスということだ。登場したのは1990年だから、バブル経済期の直後である。前身のブルーリボンは、国内観光を支えた立役者であった。当時の好景気に後押しされた旅行ブームを受けて、セレガはさらに豪華な旅の演出を目指したのであろう。
登場のきっかけは「平成元年排出ガス規制」で、新開発のエンジンを搭載する新たなボディが必要となったことによる。これは、2005年に登場した現行車である2代目も同様だ。このときは「平成17年(新長期)排出ガス規制」があった。このモデルは日野自動車が開発したものだが、いすゞ自動車と共用のモデルになるので、同社の「ガーラ」とは兄弟車である。車体は、両社が対等に出資するジェイ・バスが担当した。
外観デザインはヨーロッパのバスに近く、その名のとおり優美でスマートな車体だ。セレガの特徴である乗客の乗車位置が高いハイデッカータイプは、一般に1970年代後半ごろから導入されていたが、各社の試行錯誤が続いていた。乗客の特別感と外観デザイン、それにふさわしい走りが可能な高出力エンジンを備え、現在に続くハイデッカーのイメージを完成させたのは、同車であるといっても過言ではない。
今回のマイナーチェンジでは、おもに安全装置のブラッシュアップが行われた。バスを含む大型自動車は事故が起きた際に被害が大きくなることが多い。とくに大型バスは多数の乗客を乗せているため、万一の際に被害を最小限に抑えるべく、つねに新たな安全装置が開発され続けているのだ。