新たな用途についても検討されている とはいえ、すべてが緩和されたわけではない。コンテナの幅は2438mm(8フィート)なので道路法・車両制限令の2.5mに抵触しないが、高さは同法にある3.8m規制をクリアできないタイプがある。ハイキューブコンテナの高さは2896mm(9フィート6インチ)なので、コンテナシャーシと(約1200 mm)合わせれば、約4100 mmになるのだ。高速道路など「高規格幹線道路(高さ指定道路)」については、4.1 mに緩和する特例措置がとられたことで通行が可能になったが、一般道路は許可をとらなければ通行できない。
現在、国内では「JIS Z 1610」規格に沿って、コンテナの国内寸法が定められている(「ISO668」規格のみに準拠しているコンテナも使用されており、すべてが「JIS Z 1610」と連動しているわけではない)。この規格では、コンテナの長さを2991~1万2192mm (10〜40フィート)の6分類(7サイズ)と定めている。
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20フィート以上のコンテナのトラック輸送は、コンテナシャシーと呼ばれる専用のセミトレーラーを使用しなければならない(一部の鉄道コンテナを除く)。例外的に、20フィートコンテナを回送するときなどで空荷輸送をする場合は、4トン積単体構造の中型トラックを使用することができる。これは20フィートコンテナの自重が3~3.5トン程度であることもあるが、コンテナの将来性を考慮したためともいわれている。
コンテナは基本的に輸送ツールであるが、その耐久性や汎用性などから新たな用途が模索されている。近年、増加しているのが貸倉庫で、空き地にコンテナを置くだけで簡単に事業化が可能だ。また、コンテナハウスはさまざまな利用法が試されていて、ホテル・住居・集会所・カラオケボックス・葬儀場などといったものや、災害時の仮設住宅などにも使用されている。
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コンテナには多くの制限や規制もあるが、高い将来性を秘めた「魔法の箱」といっても過言ではないだろう。