日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは (2/2ページ)

日本のキャンピングカーは質の高さが魅力

 トラックも特装など特殊な架装をする場合には、荷台などを取り付けないシャシーの状態で架装メーカー(この場合はキャンピングカービルダー)に納入し、架装を仕上げて販売店に納入して登録し、オーナーに納車することになる。ちなみにトヨタはカムロードというキャブコン専用のシャシーを用意したこともあって人気が爆発! 日本のキャンピングカーブームを牽引するきっかけにもなった。

 ビルダーによっても違いはあるが、一般的なキャンピングカーの製作工程を追ってみよう。まずはベース車両が自動車メーカーから納入される。このとき、カムロードなどはシャシーだけの状態だ。重量バランスや剛性、強度などを考慮した上でキャンピングカー内でレイアウトや補強などの構造が決まり、ボディ部分はFRPで型から製造されて組み合わされてボディとなる。

 キャンピングカーを製作するのは、トラックのボディとは比べ物にならないほど複雑な工程がある。トラックなら平ボディを基本に、パネルバンや冷蔵車、冷凍車などの特装車ダンプやコンクリートミキサー車などを選べばいいが、一方のキャンピングカーは、材料の多さや複雑など、かなり高度だ。

 ボディの外枠はFRP製が一般的だが、そこにはドアや窓も取り付けられ、断熱材を貼って冷暖房の効率を高め、防音も施される。電気の配線や上下水道の配管なども収めてから内壁を張り、エアコンやギャレー(流し台)といった設備やダイネット(リビングダイニング的スペース)やベッド、収納などの家具を作り込むのだ。

 各メーカーでさまざまな工夫を凝らすことで、スペース効率や快適性、利便性、デザイン性などを高めて、他社と差別化しているのである。海外ではキャンピングカーメーカーが作業工程を省き効率化できるよう、さまざまな部品を大量生産しているが、日本のキャンピングカーメーカーは、建築技術を利用して発展してきたので大工仕事が多く、その仕上がりの高さも魅力になっている。

 キャンピングカーも普及するにつれて同じベース車両でも、室内の装備や仕上げによって差別化され、価格の幅も広がってきた。今後も高級化はさらに進むことになりそうだ。


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