かつてガソリンでいうハイオクに相当する軽油があった! いまや姿を消した「プレミアム軽油」とは (2/2ページ)

現在はサルファーフリーな軽油が普及

 かつて日本で販売されていたプレミアム軽油はハイオクガソリン同様、通常の軽油よりわずかに高かった。それでもセタン価(ガソリンのオクタン価に相当)を向上する添加剤や防錆剤、煤が付きにくい洗浄剤などが配合されていることから、一部のディーゼル車ユーザーには好評だったようだ。

 しかし、普通の軽油も完全脱硫化が実現されると、プレミアム軽油のメリットはあまりなくなり、10年ほど前に元売り各社の商品ラインアップから消滅してしまった。

 燃料をたくさん消費するトラックにおいては、リッターあたり数円でも価格差があれば毎月の燃料代に大きく影響する。輸入車の高級ディーゼル車くらいしか需要がなかったため、採算が合わなくなってしまったのだろう。

 プレミアム軽油は現在もう販売されなくなってしまったが、サルファーフリーな軽油が完全に普及したのだから、むしろそれを喜ぶべきなのだろう。しかし、現在の軽油価格はかつてのプレミアム軽油より高いのだから、存在したとしてもプレミアム軽油はどれほどのユーザーが選ぶことか。

 かつては、たとえ高級車であっても「経済的だからディーゼルを選ぶ」というニーズも高かったが、ここまで高くなった燃料にわざわざプレミアム性を求める層はほとんどいないだろう。それならガソリン車でハイオクガソリンを利用するハズだ。

 トラックにおいては、そのトルクの太さと経済性から、当分はディーゼルエンジンでハイブリッド化などが進むことになるはずだ。


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