かつてガソリンでいうハイオクに相当する軽油があった! いまや姿を消した「プレミアム軽油」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■かつて「プレミアム軽油」が存在した

■普通の軽油も完全脱硫化が実現されて「プレミアム軽油」は消滅

■現在の軽油価格はかつてのプレミアム軽油よりも高い

硫黄分を除去した軽油が販売されていた

 ガソリンにはハイオクとレギュラーという2種類の商品が用意されている。これはオクタン価(=燃えやすさであり、燃えにくいほうが一気に燃やしやすく熱効率が高くなる)の違いがある。レギュラーに洗浄剤などの添加剤を配合することで、燃焼室付近にデポジット(燃えかす)が堆積しにくいなど、ハイオクガソリンは別名プレミアムガソリンとも呼ばれる、高性能で高品質なガソリンだ。

 一方、トラックやバスに代表されるディーゼルエンジンに使われる軽油は、現在のところ1種類のみ。しかし、かつては軽油にもプレミアムと呼ばれる商品が存在していたのをご存じだろうか。

 欧州などでは、レギュラーとハイオクの2種類ではなく、レギュラーとスーパー、プレミアムといったように、さらに細かく燃料が分類されている。最近ではバイオメタノールの配合量によっても、いくつも燃料がわかれている。

 ディーゼル用の軽油に関しても乗用車用とトラック用では税率が異なるため区別されている国もある。

 硫黄分はエンジンによって燃焼して酸化し大気に放出されると、光化学スモッグや酸性雨の原因になる。極端な話、雨に硫酸(H2SO4)を混ぜるようなものだ。従来、軽油にはこの硫黄分がわずかながら残っており、これがエンジンや排気系を傷めるとともに、大気汚染の原因となっていたことから、脱硫化(硫黄分を取り除く)を進めてきた。その過程で、完全に硫黄分を除去したサルファーフリーな軽油がプレミアム軽油として販売されたのだ。


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