100万km超のトラックにも需要がある
100万km走行超のトラックでも、エンジンや変速機、駆動系をオーバーホールしたり、リビルド品に載せ替えることで、普通に利用されるケースもある。とくに最近までは半導体不足など部品の供給が乱れたことで、新車のトラックが不足して中古車が人気となった。
あるいはボディの架装をやり直す、もしくは過走行のトラックからボディを載せ替えることで、再び利用するケースもある。こうしてさらにトラックは寿命を長らえるのだ。
そのほかにも日本で十分に使われたトラックが、輸出されて海外で活躍するケースも少なくない。
輸出先の新興国など、壊れても修理しながら使うスローライフ的な物流が許されている地域では、エンジンもシャシーも壊れるまで使う。エンジンが壊れてシリンダーやシリンダーヘッドが割れてしまっても溶接で繋ぎ合わせて再生する。新車と同じ品質とまではいかなくても、エンジンとして機能するように直してしまう技術をもつ職人たちもいる。
その修理方法を見れば、日本のエンジニアやメカニックは安全上・機能性上びっくりしてしまうことだろう。また、ボディやキャブなどが事故によって壊れた場合などは、使える部品を取り外しておき、消耗の激しいトラックの交換部品として利用する。
エンジンを載せ替えるだけでなく、シャシーも場合によっては鋼板から作り直してしまう驚きの職人たちもいる。そうやって再び走れるようになったトラックたちは、乗り潰されるまで大量の荷物を運ぶために使われているのだ。
日本製のトラックは高品質で耐久性も高いが、海外ではさらに乗り潰すまでの使われ方が日本の比ではない。そんな地域でも日本のトラックは愛用されているのである。