ディーゼルトラックはマフラーから煙が出て当たり前……じゃない! 加速時に黒煙や白煙を吹くトラックは壊れかけだった!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ディーゼル車が黒い煙を吐き出すことはいまではほとんどなくなった

■いまでもときどき排気ガスが目立つトラックやバスを目にする

■原因はクリーンディーゼルエンジンの故障や部品の損傷だ

一部のトラックが凄まじい煙を出す理由

 トラックもバスもディーゼルといえばほんの20年くらい前までは加速時に黒い煙をマフラーから吐き出すのが当たり前だった。しかし、排ガス規制が厳しくなってクリーンディーゼルが導入されて、それらのクルマの排気ガスは本当にキレイになった。

 ところが最近になって再び、排気ガスの汚れが目立つトラックやバスが都市部で目に付くようになってきた。結論をいえば、これはクリーンディーゼルエンジンの故障や部品の損傷を放っておいて、乗りまわしているから。

 ディーゼルエンジンは熱効率に優れるものの、排気ガスをキレイにするためには非常に緻密な制御が必要で、ガソリンエンジンより高性能なインジェクターが使われているのはそのためだ。しかし、排気ガスをキレイにしているのは、エンジンの燃焼状態を緻密に制御して最適化しているだけではなく、燃焼後の排気ガスをキレイにする後処理装置の働きも大きい。

 というのもディーゼルは燃焼温度が高いと排気ガス中のNOx(窒素酸化物)が増え、燃料が濃かったり燃焼温度が低いとPM(黒煙の主成分である煤)が増えてしまうので、両方を処理して大気に放出する必要があるからだ。

 そんな後処理装置も使用過程や走行中の熱や振動などによって劣化していく。とくに黒煙を処理するDPF(黒煙を回収して再燃焼させるフィルター)はセラミック製で高温にも強いが、再燃焼時に温度が上昇しすぎて壊れてしまったり、振動や衝撃で割れてしまうこともある。そうなると、黒煙を捕集することができなくなって、マフラーから黒煙がそのまま出てしまうのだ。


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