この記事をまとめると
■軽自動車にはこれまでに採用されていないパワートレインがある
■EVの軽自動車がある以上、フルハイブリッドの軽は遠からず登場するかもしれない
■ディーゼルとロータリーはコスト的にも難しい
軽自動車にはガソリン車とMHEVとEVしか存在しない
工業製品のグローバル化においてはスマートフォンのように世界統一的なプロダクトが広まっているが、そのアンチテーゼなのか、個性を重視する「ダイバーシティ(多様性)」という言葉を見聞きすることは珍しくない。
同じ工業製品でいっても、スマートフォンとは異なり、自動車というのは多様性のあるプロダクト揃いだ。カテゴリーやスタイリングだけでなく、パワートレインについてもガソリンやディーゼルのレシプロエンジン、ロータリーエンジン、さまざまなハイブリッド、プラグインハイブリッド、燃料電池、そして電気自動車(BEV)と多彩な選択肢がラインアップされている。
とはいえ、日本独自のコンパクトカー規格である軽自動車においては、意外にパワートレインの選択肢は少ない。そもそもエンジンについてもガソリン3気筒しか存在せず、ハイブリッドと名乗っていてもスタータージェネレーターでアシストするマイルドハイブリッドだけとなっている。
大型SUVなどではクリーンディーゼルを積んでいることも少なくないが、軽自動車にはディーゼル車は過去をさかのぼっても存在していない。また、最近マツダがMX-30 Rotary-EVによって復活させたロータリーエンジンも軽自動車に積まれたことがない。
モーターだけで走行のできるフルハイブリッド(ストロングハイブリッド)や外部充電に対応したプラグインハイブリッドは、現時点では用意されていないのだ。それでいて、日産サクラや三菱eKクロスEVといったBEVは存在している。