海外勢ライバルには高級クロカンの名が並ぶ
海外勢では、もちろんラングラー、ゲレンデヴァーゲン、ディフェンダーあたりが挙げられる。ただし、価格帯がラングラーは799~1030万円、ディフェンダーが836~1685万円と、一応は800万円程度から設定があるところ、ゲレンデヴァーゲンは倍の約1600万円~と違いすぎるので、「ライバル」としては外したほうが適切だろう。
ディフェンダー110は、ランクル250とサイズもかなり近い関係にある。現代に蘇ったディフェンダーを含め、現行のランドローバー車はラダーフレームを廃してクロカン車としては珍しくモノコックを採用したのが大きな特徴となっているが、軽量かつ剛性面でもラダーフレームよりも優位と伝えている。
実際、悪路走破性はかなりのものである上に、舗装路でも軽快で快適な走りを実現しているのはたいしたものだ。超先進的なオフロード向けの電子制御デバイスを搭載している点でもランクル250と共通する。
また、ランクル250とディフェンダーは、デザインにちょっとパイクカーの要素が入っている点でも似ている、と個人的には思っている。サイズが近くて見た目がオチャメだけど、いざとなればどんな道でもガンガン踏み越えていける頼もしい実力の持ち主ということで、性能も性格も相通じるものがある。
ただし、エンジンラインアップはだいぶ違って、2リッター直4ターボと4リッターV8ターボのガソリンと、3リッター直6のディーゼルと、直6やV8の設定があるあたりは、さすがランドローバーの一員らしい。
一方のラングラーは、ランクル250というよりもランクル70のライバルのような雰囲気で、全長4870mm、全幅1895mm、全高1855mmというランクル250と比べてひとまわり小さいボディサイズもランクル70のほうが近いが、ランクル250とも少なからず競合する。
スクエアな形状と平面基調のボディパネルにオーバーフェンダーを備えるなど、「いかにも」なルックスからして、もっとプリミティブなクルマを想像するところだが、じつはそうでもなくて、このデザインが好き!という富裕層のオーナーが多く、彼らに向けて中身が現代的に作り込まれているあたりは、むしろランクル70よりもランクル250に近い。とくに2024年5月に日本に導入された最新版は、乗り心地が改善され装備もアップデートされて、快適性が格段に向上している。
ジープのそのほかの現行のラインアップは、あまり泥臭さを感じさせない、ランクルでいうステーションワゴン系に属しそうなモデルが多いのだが、ラングラーもまた、悪路走破性の高さはジープ随一であることには違いなく、見た目が限りなくヘビーデューティでも、中身はライトデューティ的な要素もかなりもち合わせているわけだ。