口を開けば出てくる「働くクルマの自動運転化」! 現役職業ドライバーの働き口も同時に議論しないのは失礼千万 (2/2ページ)

「自動化」の3文字は現役の人たちに失礼

 自動物流道路は別としても、簡単に識者が「自動化」といっていることには違和感を覚える。

 働き手が不足しているのだから、確かに自動化すれば解決するのかもしれない。ただ、働き手不足とはいえ、運転士として従事する人は全国にたくさんいる。軽はずみな自動化発言はそのようなエッセンシャルワーカーとも呼ばれる運転士を軽視している、つまりあからさまな職業差別意識の現れのようにも見える(クルマを運転するだけのラクな仕事という先入観があるように見える)。

 自動化すれば運転士という職業がなくなるのだから、離職する運転士の新たな働き口を模索してしかるべきである。「あなたたちの仕事は自動運転になるので必要なくなりますから、これからの仕事は自己責任で探してください」というのならば、それはあまりに無責任だ。

 自動運転といっても、いまは自動運転システムを搭載した新たな車両というものが話の前提となっている。しかし、既存車をヒト型ロボットに運転させるというものも研究が進んでいる。ヒト型ロボットというと、遠い未来の話のようにも見えるが、筆者個人はこちらのほうがどこか現実的な自動運転化のようにも見える。

 それでも、ますます深刻化する働き手不足を自動化以外で解決する手段というものもなかなか考えつかないのも正直な話。自動化を否定するつもりはないが、もう少し現場で働く人のことを考えて、敬意を払って自動化を議論して欲しいものだと考えている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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