モーターショーがオワコン化していると嘆く欧米よ! 「ジャパンモビリティショー」か「アジアの自動車ショー」を見習うべし (2/2ページ)

技術的な展示よりもエンターテイメント的な展示が求められる

 昨年、日本で開催されて好評だった「ジャパンモビリティショー」について聞くと、「技術的なアプローチの展示が目立っていた」と語ってくれた。タイは世界有数の自動車生産拠点であるが、自国量産ブランドはもっていない。会場にブースを構えるのは、日本、欧米、韓国、中国など、タイから見れば「外資ブランド」となり、さらにショー自体が「トレードショー」に特化していることもあり、最新の技術展示というものは少ない。

 筆者は、タイなどの自動車ショーの活況を見て、日本も過去の「東京モーターショー」のようにトレードショー的色合いを深めたほうがいいのではないかと提案していたこともあるが、海外から見れば、日本の自動車ショーはやはり最新技術の展示を積極的に行うことに魅力を感じているようである。ジャパンモビリティショーは、積極的な技術展示を行いながらエンタテインメント的要素というか、わかりやすくいえば「クルマのお祭り」的要素を積極的に付加したことで活況を呈したのではないかと考えている。

 欧米のオワコン化については、とくに欧州では環境保護団体を中心に「自動車=地球環境破壊のもと」みたいな認識で、かなり過激な批判が目立っていることも大きく、声を大きくして「クルマ好き」ともいえない周辺環境の問題が大きいだろう。

 アメリカでは、メディアへのアピールはBEV(バッテリー電気自動車)をはじめとしたNEV(自然エネルギー車)がメインとなるが、一般消費者レベルではHEV(ハイブリッド車)がかなり注目されている。それらも含めICE(内燃機関)車がメインとなる。

 そのため、そもそも世界初公開の技術展示も目立っていたデトロイトやニューヨーク、ロサンゼルスなどの世界主要自動車ショーと呼べるものの地盤沈下がより目立っている様子。ただ、全米で集客がもっとも多いともいわれるシカゴショーは、市販車ベースの展示で、世界初公開モデルなどはほとんどないので、会場内で買えるわけではないが、シカゴショーのようなトレードショー的傾向の強いショーはオワコン化しているともいい切れないようである。

 技術面では引き出しの多い日本メーカーが主役となる日本では、ジャパンモビリティショーのような「ブラッシュアップ」が日本的な新たな自動車ショーのスタイルとして受け入れられたのではないかとも考えている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報