エンジン型式の例を紹介!
・8代目は「R32」型です。
この代でまた法則が少し変わります。代表的なモデルはやはりGT-Rでしょう。型式は「BNR32」です。
最初の「B」は搭載エンジン、2番目の「N」は駆動方式と4WS、3番目の「R」が車種で、続く2桁の「32」がその車種の代目を表しています。
エンジン記号は「B」が2.6リッターツインターボ、「E」が2.5リッター、「H」が2リッターのNAとターボを表します。2番目の記号は、「N」が4WD(アテーサ制御)で、「C」が4WSのハイキャス付きを表します。
・9代目は「R33」型です。
基本的に先代と同じ法則ですが、GT-Rがちょっとややこしくなっていて、「BCNR33」と2番目に「C」が入っています。これは、先代では4WD仕様車には必ずハイキャスがセットになっていたので、2番目が「N」と「C」で使い分けられていましたが、この代では4WDでもハイキャス無しのグレードがあったので、分離させて使われたとのことです。
※この後の「R34」型は「R32」型と同じ法則です。
※その後の11代目ではGT-Rが独立し、スカイラインは「V35」型とアルファベットが変わり、現行の「V37」型まで続きます。
このようにスカイラインは状況の変化などで変化しながら続いてきました。
他のメーカーでも、数字の部分は代目(世代)を表していることが多いようですが、前後のアルファベットについては独自の法則を使用しているところもあります。
■エンジンの型式
エンジンの型式については、トヨタの場合を見てみましょう。例として、「A80」型スープラなどに搭載されていた直列6気筒DOHCの「2JZ-GTE」型エンジンで見てみましょう。
ハイフンより前がエンジンの系統を表しています。この「2JZ」の場合は、直列6気筒「JZ」系のなかで、3リッターエンジンは頭に「2」が付きます。2.5リッター版は「1JZ」です。
ハイフンの後のアルファベットは、エンジンの仕様を表しています。「GTE」の「G」はツインカムを表しますが、これはハイパワー系のもので、省燃費タイプは「F」となります。続く「T」はターボです。スーパーチャージャーは「Z」で、自然吸気の場合は付きません。最後の「E」は電子制御燃料噴射機構です。
この他に、D-4(直噴)が「S」、連続可変バルブリフト機構付きが「A」、LPG仕様が「P」など、仕様ごとにアルファベットが充てられています。
これは昔から基本的にはあまり変わっていないようですが、細かい法則は変化しています。
たとえば某ドリフトとうふ屋マンガでお馴染みの「AE86」に搭載されている「4A-GEU」の場合、ハイフンの前がエンジンの系統を表すのは同じで、「4」が排気量の順列で、4番目となる1.6リッター仕様、「A」がエンジンの系統を表します。ハイフンの後の「G」が高性能仕様のツインカムを、「E」は電子制御燃料噴射機構を表すのまではいっしょですが、最後の「U」はいまでは使われない排ガス規制適合型ということを表しています。
もうひとつ加えておくと、トヨタで最初にツインカムを採用した「3R」型や「9R」型では、まだツインカムを表す記号が確立できていなかったため、ハイフンの後に「G」を付けるという法則はありませんでした。
こうやってクルマの型式を見てみるだけでも、時代によって採用する技術や環境などが変わってきたのだなあということが感じられて面白いと思います。興味を惹かれた人はぜひ他のメーカーの型式も辿ってみてください。