この記事をまとめると
■クルマのシートベルトが基本的に黒やグレーとなっている理由を深掘り
■製造したときは「白色」だがその後に黒やグレーなどに着色している
■ホンダは肌触りや服への色移りを防ぎながらシートベルトの色を選んでいる
シートベルトはなぜほぼ一色?
普段クルマに乗ったときに何気なく着用しているシートベルトの色を見てみると、ブラックやグレーが圧倒的に多いです。クルマによっては、ベージュ、レッド、ブルーなど、カラフルでおしゃれなシートベルトもありますが、カラーシートベルトはブラックやグレーのシートベルトに比べると少ないのが実情です。では、なぜシートベルトにはブラックやグレーが多いのでしょうか。今回は、シートベルトのカラーについて深堀りします。
シートベルトのカラーがブラックやグレーの理由
クルマに装備されているシートベルトの色は、そのクルマの雰囲気やコンセプト、シートカラーや内装色に馴染むカラーが採用されます。
クルマの内装色やカラーバリエーションはモデルによって異なりますが、販売台数が多いクルマの内装を見てみると、インテリアのパネルやシートの表皮にブラックやダークグレーを採用しているケースが多いです。そのため、シートベルトもインテリアパネルやシートカラーに合わせたブラックやグレーになっていると考えられます。
また、ブラックやグレーは、汚れが目立ちにくく、衣服からの色移りが気になりにくい色でもあります。そのため、多くのクルマにブラックやグレーのシートベルトが採用されているといえるでしょう。
できたてのシートベルトは白ってほんと!?
シートベルトは、高強度ポリエステル繊維が主な素材となっています。合成繊維や合成樹脂などを取り扱う東レの製品情報を見てみると、シートベルト用ポリエステル糸のラインアップは「白糸 標準タイプ」「白糸 高強力タイプ」「黒原着糸」です。つまり、白の糸と黒に着色された糸がシートベルト用の繊維として販売されています。
そのため、白の高強度ポリエステル繊維で作ったシートベルトの最初の色は白になるのです。シートベルトは、繊維をベルト状にしたあと、ブラックやグレー、レッド、ブルーなどに着色されます。このような工程を経て、見慣れたシートベルトになります。言い換えると、普段見ているシートベルトは、着色された後のシートベルトで、素材そのものの色ではないということです。
また、ホンダでは、肌触りや服に色移りしないことも考えてシートベルトの色を選んでいるとのことです。さらに、同社では、シートベルトの素材であるポリエステル繊維が紫外線によって分解されて経年劣化する特性があるという理由から、シートベルトの色に白を使うことはほとんどないとのこと。
安全性と雰囲気作りに貢献しているシートベルト
シートベルトは命を守ってくれる重要なベルトです。それと同時にインテリアの雰囲気づくりに寄与するパーツでもあります。
近年では、アクセントカラーが入ったシートベルトや標準でカラーシートベルトが装着されるケースが増え、シートベルトがインテリアの一部として扱われることが多くなりました。
もし、クルマを買うときに内装にこだわるのであれば、シートベルトの色にこだわってみるのもいいかもしれません。