単なる顔違いの姉妹じゃない! 「トヨタbz4X」と「スバル・ソルテラ」は走りも装備も補助金まで違っていた!! (2/2ページ)

走りのbZ4Xと安全性のソルテラ

 走りに関しては足まわりの設定も異なる。駆動方式とタイヤサイズが共通のグレード同士で比べた場合、bZ4Xはステアリング操作に対して車両が比較的機敏に反応する。峠道などを走ると進行方向を内側に向けやすく楽しいが、下り坂のカーブを曲がっている最中に制動を強いられたときなどは、後輪の接地性が若干下がりやすい。

 その点でソルテラはステアリング操作に対する車両の反応が少し穏やかで、峠道などを走るとbZ4Xほど楽しくない。その代わり後輪の接地性が高く、下りカーブでの危険回避や高速道路における直進安定性が優れている。このようにソルテラとbZ4Xは基本的には同じクルマだが、セッティングの範囲内で、bZ4Xは楽しさ、ソルテラは安全を重視する。この違いもBRZとGR86に似ている。

 装備でも違いがあり、ハンズフリーパワーバックドアは、bZ4Xでは上級のZのみに装着するが、ソルテラは全グレードに標準装着した。アルミホイールとタイヤのサイズは、bZ4Xは18インチが標準装着されて20インチはZにオプション設定とした。ソルテラではET-SSが18インチで、ET-HSは20インチになり、オプションではタイヤサイズを選べない。

 そして、bZ4XではGとZの両方に2WDと4WDを用意するが、ソルテラでは上級のET-HSは4WD専用だ。したがってソルテラは2WDに、20インチアルミホイールなどの上級装備を組み合わせることはできない。

 上級グレードに標準装着されるオーディオのブランドも異なる。ソルテラはハーマンカードンサウンドシステム、bZ4XはJBLプレミアムサウンドシステムだ。

 ちなみにもっとも安価なグレードと価格は、bZ4XがG・2WDで550万円、ソルテラはET-SS・2WDで627万円になる。ソルテラは前述のとおり装備も充実するが、価格も高めの設定だ。

 なお、国から交付される補助金額は、bZ4Xは85万円だが、ソルテラは65万円になる。現在の補助金交付額は、メーカーによる充電インフラの整備、アフターサービス体制の確保や整備人材の育成、車両のサイバーセキュリティ対策なども判断して決められているから、基本的には同じクルマでも補助金額はbZ4Xが高くなった。トヨタはこれらの付加価値がスバルよりも高く評価されたわけだ。

 以上のようにソルテラとbZ4Xでは、装備、価格、補助金の違いも大きく、ニーズに応じて選びわけたい。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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