運転支援だらけで運転がつまらない……なんて感じてないか? あるぞ「クルマとガッツリ対話できる」運転の楽しいクルマ5台 (2/2ページ)

スポーツグレードじゃないモデルも狙い目!

 3台目は、11代目となったホンダ・シビック。こちらも「走り」と聞くとTYPE Rが真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、先に発売された1.5リッター直噴ターボ+6速MTのガソリンモデルは、素の走りを楽しめるモデルに仕上がっています。

 加速に応じてリニアなエンジンサウンドが響いてくるところや、爽快に吹き上がっていく直線、バランスのいい挙動でカーブを抜けていくシーンなど、何度も体験したくなってくるほど。ショートストローク化された6速MTの小気味いい操作感も、気分を盛り立ててくれます。

 4台目は、WRCをはじめモータースポーツで活躍中のGRヤリスが走りのイメージを牽引する、トヨタ・ヤリス。1リッターと1.5リッターのガソリンモデルがあり、とくに1.5リッターには6速MTが設定されており、操る楽しさが味わえるモデルとなっています。トヨタ自慢のダイナミックフォースエンジンは、低速から中速への盛り上がりが強く、シフト操作もコクコクとよく決まります。

 ねじり剛性をしっかり確保したボディや、カローラと同等レベルのサスペンションで、コーナリング時も安心して駆け抜けていけるのも楽しさのひとつ。市街地を走っているだけで、キビキビとしたスポーティな挙動が満喫できるはずです。

 5台目は、軽自動車では唯一となってしまったオープンスポーツカーのダイハツ・コペン。2代目となった現行モデルは、着脱可能な外板パネルで着せ替えができる「ドレスフォーメーション」採用が話題となりましたが、電動アクティブトップで座ったままボタン1つで開け閉めできるルーフを備える、小さな本格オープンカーです。

 パワートレインはもちろん、軽自動車規格で64馬力/92Nmの0.6リッター3気筒ターボですが、発進からドカンと押されるような力強い加速フィール。でも上り坂ではちょっと気を抜くと押し戻されるような失速感があるし、コーナリングでも回転を落とし過ぎれば再加速が遅くなり、ロスしてしまうなどドライバーの腕次第で気もちよく走れたり、モタモタしたり、クルマがカバーしてくれないのがいいところ。それらのコツをつかみ、思いどおりに操れるようになるのが楽しみの1つともいえる、今では貴重なクルマです。

 ということで、クルマがどんどん便利に安全になっていくのはいいことであると感じる反面、運転する楽しさ、操る一体感を感じられるクルマはどんどん減っていくような気がしますね。まだ今なら間に合うので、もっともっと多くの人にそんな楽しさを味わってほしいと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

新着情報