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駐車時は「ハンドル真っ直ぐ」が基本じゃないの? 高速でパトカーや作業車両がハンドルを切ったまま路肩に停めるワケ

駐車時は「ハンドル真っ直ぐ」が基本じゃないの? 高速でパトカーや作業車両がハンドルを切ったまま路肩に停めるワケ

この記事をまとめると

■パトロール隊や警察車両は高速道路の路肩にステアリングをいっぱいに切って停車する

■ステアリングを切って停車するのは追突された際の本線への飛び出しを防ぐためだ

■クルマの故障などで路端に停車するときもステアリングを切っておくことで新たな事故を防げるかもしれない

壁やガードレールに向かってステアリングを切って停車する関係車両

 高速道路に停車して落下物の回収や現場の処理をしている高速道路パトロール隊、また警察の高速隊は、高速道路上の路肩にクルマを止めるときにステアリングをいっぱいに切って止まっています。では、わざわざステアリングをいっぱいに切って止まる理由とは何なのでしょうか。今回は、高速道路パトロール隊や警察の高速隊が、路肩にクルマを止めるときにステアリングをいっぱいに切って停車する理由について解説します。

高速道路には予想外の落とし物がある

 高速道路には、さまざまな物が落ちています。落下物として多いのは、プラスチックやビニール類、タイヤをはじめとする自動車関連部品、木材などです。しかし、高速道路に落ちているのは、このような小さな落下物だけではありません。そのほかにも、脚立、サーフボード、コンテナ、発電機など、「どうやったら落ちるの?」と思ってしまうようなモノが落ちていることもあります。

 クルマにモノを積載するときは、落下しないように収納したり固定したりしなければなりません。もし、モノを落としてしまった場合は、落とした人の責任となるため、いち早く連絡して回収してもらいましょう。また、モノを落としてしまったときや落下物を見つけたり落下物にぶつかったりしたときは、「#9110」に通報してください。

パトロール隊や高速隊が止まるときはステアリング切り停車している

 落下物の回収や現場の処理をしている高速道路パトロール隊や警察の高速隊は、路肩や現場付近などでクルマを止めるとき、ステアリングを壁やガードレール側に向けていっぱいに切って止まります。ひと手間かけてステアリングをいっぱいに切って止まる理由は、後続車に追突されたときの事故を最小限に抑えるためです。

 クルマのステアリングを壁やガードレール側に向かっていっぱいに切って停車しておけば、本線を走行している車両(後続車)が停車しているクルマに追突したときに、追突されたクルマが壁やガードレールに向かって押し出される形になります。つまり、本線への押し出しを防止できるということです。

 また、クルマを止めるときにステアリングをいっぱいに切って停車することで、本線への押し出しを防止できるだけでなく、高速道路パトロール隊や警察の高速隊の車両より前で作業している人にクルマが突っ込むリスクを最小限に抑えることができます。

 高速道路パトロール隊や警察の高速隊は、このような工夫によって事故を最小限に抑え、被害の範囲を拡大させないようにしているのです。

高速道路以外の場面でも役立つステアリング切り停車

 高速道路パトロール隊や警察の高速隊が行っているステアリング切り停車は、クルマが故障したときや道路形状によってクルマが動いてしまう可能性があるときに役立ちます。

 クルマが故障したりトラブルが発生したりしたときは、安全な方法で速やかに路端に停車します。このとき、坂道の途中やブレーキの故障などによってクルマが動き出してしまう可能性がある場合は、壁やガードレールに向かってステアリングをいっぱいに切って止まりましょう。

 ステアリングを切って停車しておくことで、追突されたときやクルマが動き出してしまったときの被害を最小限に抑えることができます。

 万が一のときの対応として、ステアリング切り停車という方法があるということも覚えておくとよいでしょう。

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