この記事をまとめると
■運行中に乗客が事故に遭うと運行中止になる
■事故の責任は100%運転手が負うとは限らない
■バスが停車するまでは席を立たないようにアナウンスするのは車内事故を防ぐためだ
バスの運行中に怪我人が出ると大惨事に!?
通勤や通学など日常生活における移動手段として利用されることが多いバス。この路線バスや乗合バスなどに乗車しているときに、車内でケガをしたら運行が中止になることがあります。今回は、バスに乗車しているときにケガをしたらどうなるのか解説します。
バスの運行中に乗客がケガをしたら運行中止になる
バスの運行中、何らかの理由により運転士が急ブレーキや急ハンドルなどをする可能性はゼロではありません。その際、もし運転士が急操作したことにより、乗客が体勢を崩し、転倒してケガをした場合、運行が中止される可能性があります。
乗客が転倒したことによって負傷する車内事故は人身事故となります。そのため、バスは運行を中止し、負傷者の救護や警察へ事故発生当時の状況報告をしなければなりません。
バスは、交通混雑による遅延、豪雨や台風など天候の影響、イベントなど特殊な状況などによって、減便や増便をしたり、ルート変更や停留所の変更をしたりすることがあります。また、交通事故や交通状況、車両トラブルや故障などによって、運行が中止されることもあります。
このように、さまざまな理由によってバスの運行状況は変わります。さらに、場合によって運行が中止されることもあるため、乗客としてバスに乗るときは自分の身の安全を守る措置をとっておかなければなりません。
車内事故は運転士の責任? 乗客にも責任がある?
バスの車内で乗客が負傷する事故が発生した場合、基本的に運転士が責任を負うことになります。ただし、100%運転士の責任になると断言することはできません。
その理由は、事故が発生した原因、運転士の操作の正当性、そして、乗客が転倒防止の措置をとっていたかなどの状況を総合的に判断しなければならないためです。
また、過去の判例では、バスの乗客は乗車した際にバスの揺れや振動などから身を守る努力をする必要がある、と判断がされたことがあります。このようなことからも、バス車内における事故は、運転士と乗客の両者に責任があるといえるでしょう。
車内における事故を防止するためにできること
バス車内における人身事故を防止するためには、運転士が乗客の安全に気をつかうだけでなく、乗客も自らの身を守る努力が必要です。
運転士と乗客がする車内事故防止措置は次のとおりです。
運転士:乗客の安全確認、危険予測や先読み運転によって急操作を避ける、乗客への呼びかけ(アナウンス) など
乗客:バスに乗ったらすぐに着座したり手すりや吊り革に掴まったりするなど転倒防止措置をとる、バスを降りる際はバスが停止してから席を立ったり動き出したりする など
バスに乗ると「バスが停止してから席をお立ちください」といったアナウンスを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。このアナウンスは、車内における事故(主に転倒による負傷)を防止するためのアナウンスです。
このようなアナウンスがなぜ流れているのかという理由を考えてみると、公共交通機関をより安全に利用することができ、自分の身の安全を守ることにつながるといえるでしょう。