この記事をまとめると
■フィアットCinquecento(チンクエチェント)というコンパクトカーが存在していた
■「500」とはまったくの別物でFFのコンパクトハッチバックモデルだった
■マイナーチェンジで「Seicento(セイチェント)」という名前に変更された
世界中にファンが多いチンクエチェント
フィアット500、チンクエチェントと聞いて、どんなクルマを思い浮かべるだろうか。有名なのはやはり、ルパン三世に登場するダンテ・ジアコーサによって生み出された2代目NUOVA500、フィアット500=チンクエチェントではないだろうか。初代と区別するため、NUOVA(新しい)というネーミングが付けられ、1957年から1975年まで製造されたリヤエンジン、後輪駆動の歴史的名車である。
ボディは全長2970×全幅1320×全高1320mm、ホイールベース1840mmという、日本でいえば軽自動車のようなサイズであり、リヤに搭載されるエンジンも空冷直列2気筒OHV、479cc、15馬力というもので、最高速度は95km/hとされていたようだ。キュートなエクステリアデザインは世界中で愛され、いまでも多くの愛好家、コレクターによって大切に保存され、乗られている。
そして、フィアット500生誕50周年にあたる2007年には、NUOVA500のDNAとスタイリングイメージを受け継いだ3代目フィアット500(現行型)が登場。生産拠点はイタリアではなくポーランドとメキシコである。4代目は電気自動車=500e(チンクエチェントイー)専用車種となり(3代目も併売。2023年10月に直列2気筒SOHC 875ccのガソリンターボTWIN AIRは生産終了)。しかも、アバルトでさえ疑似音で爆音を響かせる500e=電気自動車となったのである。