この記事をまとめると
■2003年の改良時に登場したスズキ・スイフトスポーツ(HT81S)の魅力を解説
■当時JWRCに参戦していたラリーマシンをイメージさせるエクステリアをまとっていた
■いまでも安価に手に入る入門FFスポーツモデルとしてうってつけの1台だ
クルマとしての魅力は満点! 初代スイフトスポーツを振り返る
比較的買いやすい価格と走りの楽しさ、そしてチューニングやカスタマイズパーツも豊富ということで、どの世代も人気の高いスイフトスポーツ。現在はベースのスイフトはフルモデルチェンジを果たしたものの、スイフトスポーツは先代モデルをベースとしたものが継続販売されている。
そんなスイフトスポーツの初代モデルであるHT81S型は、スズキのカウント的には初代とされないこともあるのだが、これはスズキが黒歴史として扱っている……というワケではなく、グローバルではこの初代スイフトはイグニスとして販売されており、スイフトスポーツもイグニススポーツとして販売されていたため、グローバルでスイフトとなった2代目からカウントしているからなのだ。そのため、本稿ではHT81Sを初代スイフトスポーツとして扱う。
初代スイフトスポーツは2003年6月のスイフト改良のタイミングで追加となっており、日本仕様の通常モデルには存在しなかった3ドアハッチバックボディを採用していた。
これは、ボディ剛性的に有利であるために選ばれているのだが、そこにさらにボディ下面のパフォーマンスロッド追加やスポット溶接の追加、アグレッシブなエアロパーツなどを備えて、当時JWRC(ジュニア世界ラリー選手権)に参戦していたラリーマシンのイメージを反映させたものとなっていた。
もちろん見た目だけではなく、エンジンはエリオに搭載されていたM15A型1.5リッターエンジンをベースに、鍛造ピストンの採用や高圧縮比化、ハイオク化、専用ECUなどでチューニングして115馬力まで高めたものを搭載し、組み合わされるトランスミッションはクロス化された5速MTのみを設定。
専用のサスペンションやリヤブレーキのディスク化、フロント2脚をレカロシートとするなど、スポーツモデルに恥じない改良を施したうえで119万円という低価格でリリースしていたのである。
スペック的にはそこまで尖った性能には見えないかもしれないが、930kgという軽量ボディとクロスしたギヤ比、そして軽快に吹き上がるチューンドエンジンが相まって数値以上の楽しさを見せてくれるのが初代スイフトスポーツだったのだ。
※写真はスイフト・イグニススポーツJWRC
自動車税的にも有利な1.5リッターエンジンということで、入門FFスポーツモデルとしてはうってつけの1台の初代スイフトスポーツだが、徐々にタマ数も減ってきて価格も上昇に転じつつあるので、気になっている人はいまのうちに良質な1台をキープしておいても面白いかもしれない。