ミニバンのバックドアのケースは?
お次に乗用ミニバンにおける“あのへこみ”について考えてみよう。
こちらも要するに後方の低い位置にあったポールなどにガチャンとぶつけてしまったわけだが、商用軽バンと違ってバックカメラの装着率は高いはずであり、比較的最近のモデルであれば、障害物に近づくとピーピー鳴る装置が付いている場合も多いはず。
それなのになぜ、“あのへこみ”を発生させてしまうのか……?
まぁバックカメラやピーピー音などの装置が付いていない乗用ミニバンにおける発生原因は軽バンの場合とほぼ同じなのだろうが、問題は「この世代なら、たぶんカメラとピーピーが付いてるんじゃない?」と思われるミニバンで見られる“あのへこみ”である。
その発生原因は正直謎なのだが、推測するに、大変失礼ながら「下手くそだから」ということと「油断してるから」という原因の合せ技1本で、後方の低い位置にあったポールなどにぶつけてしまったのだろう。
十分な目視とバックカメラを併用すれば、全部ではないが、ほとんどの障害物はあらかじめ発見できる。だがそれは「ほとんど」でしかないため、見落としてしまう可能性はいつだってある。そして、バックカメラのレンズが雨で濡れていると、障害物の存在がハッキリとは見えないこともある。
「上手いドライバー」というのはそういった可能性というか危険性もつねに考えながら慎重に運転しているため、そう簡単にはぶつけない。だが下手なドライバーは、妙にポジティブに「ま、大丈夫でしょ」みたいな感じで油断しているため(それが“下手”ということなのだが)、まれに確認が不足し、まれにガチャンとやってしまうわけだ。
だが多くの場合、ガチャンとやる前に例のピーピー音が鳴るはずなのだが、それでもなぜポールにぶつけてしまうのかと問われたら……申し訳ないが本当に謎である。
爆音で音楽をかけていたせいで聞こえなかったのか? それとも、聞こえたけど「まだギリ大丈夫でしょ!」みたいな感じで妙なポジティブさを発揮してしまったのか? 筆者に推測できるのはその程度である。あなた、おわかりになりますか? もしもわかったらぜひ教えてください。
そして最後に「なぜ、“あのへこみ”を直さないままのミニバンをしばしば見かけるのか?」という疑問だが、これはもう直すお金がないか、手間をかけて直すだけの愛情がないか、もしくはその両方がないかの、いずれかだろう。
もちろんこれはミニバンというカテゴリー全体の問題ではなく、そのドライバー個人の問題に過ぎない。愛とお金をたっぷり注がれているミニバンも世の中には多いということを、最後に添えておきたい。