この記事をまとめると
■タクシードライバーが最近増えている
■かつてはトラックドライバーがタクシードライバーになるパターンが多かった
■タクシードライバーの増加の背景には不景気による会社の倒産が関係している可能性がある
最近になって新人のタクシードライバーが増えてきた
様子をうかがう意味もあり、自宅へタクシーを呼んで利用することがよくある。けっして裕福というわけでもないが、「実地調査もかねるのだから……」と自分にいい聞かせている。そのためもあり、顔なじみの運転士さんもでき、その運転士さんのタクシーに乗ったときには雑談を混ぜながらいろいろとタクシーの運行現場についての生の声を拾っている。
しかし、最近は見慣れない新人の運転士さんのタクシーが迎えにきてくれることが多くなった。東京都心部ほどは稼ぐことはできないが、それでも最近は新規でタクシー運転士を志す人が増えているようだ。
直近でタクシーを呼ぶと、やはり見慣れない運転士さんが迎えにきてくれた。行き先を告げるとタクシーは発車したのだが、目的地とは反対の方角に向かい始めた。運転士さんにもう一度行き先を告げてもピンときていない様子。仕方がないので、筆者が道順を指示し、あとは道なりに進むだけという場所まで案内することとなった。
その運転士さんいわく、「じつはこの辺りを運転するのが20年ぶりで、あまりにも運転していて見える風景が変わっているのでよくわからないのです」と語ってくれた。筆者の居住地域ではタクシー運転士になるときに、地理試験はそもそも必要なかった。新人として乗務するときに先輩が同乗し、ポイントを教えたあと独り立ちするのが一般的となっている。
よその土地からやってきてタクシー運転士になるというケースは少なく、地元の人が運転士となるケースが多いので、事業者が手取り足取り地理に関して教える必要もないといえる。あとは実際に独り立ちしてから乗客に教えてもらいながら覚えることになる。