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軽くて強くて見た目もいいクルマの最強パーツ素材「カーボン」! 「ただし割れたら一巻の終わり」という噂について本当に修理できないのか探ってみた (2/2ページ)

軽くて強くて見た目もいいクルマの最強パーツ素材「カーボン」! 「ただし割れたら一巻の終わり」という噂について本当に修理できないのか探ってみた

この記事をまとめると

■カーボンという素材はレースの世界はもちろん市販車にも投入されつつある

■記事ではカーボンでよくいわれる「割れたら直せない」は本当かの真相を探っている

■実際のところは修理可能なケースも多いが強度やコストが課題となる場合もある

誰もが憧れるカーボンパーツのメリットとは

 外装のカスタムパーツの素材で最上級といわれるカーボン。そのカーボンのなかでも、航空&宇宙分野で開発され、F1を始めとするモータースポーツでも活用されている最高性能の複合素材が「CFRP」と呼ばれるドライカーボンです。

 そのドライカーボンは複合樹脂素材としては最高の性能を有しているため、今では外装の軽量化を図るための素材として普及し、カスタム車両やサーキット向け車両に多く装着されるようになってきました。
しかしドライカーボンは特殊な製法で製造されるために補修が困難とも言われています。

 ここではそんなドライカーボンの補修が可能かどうか、できるならどうやるのか、紹介していこうと思います。

■CFRPとドライカーボンとはどんな素材?

「CFRP」とは「Carbon Fiber Reinforced Plastics」の略で、直訳すると「炭素の繊維で強化された樹脂」となります。

 基本的な部分では「FRP(Fiber Reinforced Plastics)」の一種で、一般的なFRPの場合はガラス繊維でエポキシ樹脂を補強したものになります。なので「GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic)」と呼ぶのが正式ですが、標準化しているため「FRP」と呼ばれています。

 その繊維をカーボンに置き換えたものが「CFRP」です。ガラス繊維に比べて2〜3倍の引っ張り強度があるそうです。ちなみにスチールとの比較では比重が4分の1、強度が10倍といわれています。

 そして、単にFRPと同じ製法で、繊維をカーボンに置き換えたものをウエットカーボンと呼びます。

 ドライカーボンは、カーボン繊維に樹脂を含ませたところまでは同じですが、真空引きをして余分な樹脂を抜き、さらに高圧を掛けながら高温で焼き固めて作られます。この製法をオートクレープ成型といいます。
このオートクレープ成形は無駄な樹脂が省かれるため極限まで軽くできます。

 そして気泡による細かな空洞が取り除かれることで樹脂とカーボン繊維の性能が最大限引き出され、高い強度を誇ります。

 一方で最大のデメリットはコストの高さです。上記のように込み入った工法で手間と時間が掛かってしまうので、元々のカーボン繊維の高い価格に加えてコストが上乗せされてしまうのです。

 とは言ってもゴルフクラブや釣り竿、そして自動車などさまざまな分野の製品に使われるようになったことで、以前に比べたら価格はかなりこなれてきました。外装のカスタムパーツも今では20年前より数分の1の価格で購入できることが多いです。

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