この記事をまとめると
■日本には「環状交差点(ラウンドアバウト)」などで事故対策を取っている交差点が存在する
■交差点はふたつ以上の道路が交わる場所で事故率が高いといわれている
■海外には道路が交わらないように工夫された交差点が存在する
海外にはユニークな交差点が存在する
交差点は事故が発生しやすく、混雑しやすい場所です。この交差点における事故や混雑などを減らす方法はないのか? そう思っている人も多いのではないでしょうか。
一時期話題となった「環状交差点(ラウンドアバウト)」も混雑や事故を減らす試みのひとつではありますが、なかなか普及していないのが実情です。そこで今回は、日本国内ではなく、海外に目を向けてみましょう。海外の道路で実施されている交差点の工夫は日本にも応用できるのか、ぜひ考えてみてください。
交差点における事故や混雑は構造上仕方ない?
そもそも交差点は、ふたつ以上の道路が交わる場所となっているため、混雑や事故などが発生しやすい環境となっています。また、複数の通行帯が直進/左折/右折の通行帯になっている場所では、どのように通行するのか悩んだり困ったりすることもあるでしょう。
さらに、交差点はクルマだけでなく、バイク(二輪車)、自転車、歩行者など、さまざまな人が利用します。そのため、すり抜けや物陰からの飛び出し、予測不能な動きをする車両など、予想できないトラブルや事故が発生します。
つまり、交差点は道路や交通(クルマ・バイク・自転車・歩行者など)が交わるポイントが多いほど気をつけるべきポイントも増えるため、トラブルや事故などが発生しやすくなるといえるでしょう。いい換えると、交差するポイントが少ないほど注意すべき点が減少するため、見落としをはじめとするヒューマンエラーも減少すると考えられます。
海外には交差点の形状を工夫して混雑緩和しているものもある
海外の工夫された交差点を見てみると、交差点のかなり手前から分岐させたり、Uターン路やUターン直後に信号を設置したりすることで、あらかじめ対向車線側に誘導してから交差点を曲がらせるという工夫がされています。
日本の道路に置き換えると、右折したいA交差点を一度通り過ぎ、A交差点の先から始まる右側車線の分岐からUターン路に向かい、Uターンした後に右折したかったA交差点に再び戻って、A交差点を左折することで、A交差点の右折を完了させるということです。
海外の事例のようにUターン路を設けると交差点を右折する車両がいなくなるため、右直事故やタイミングを見計らって右折したときに歩行者や自転車に衝突するといった事故を減らすことができます。
ただし、このUターン路を設ける方法にすると、右折したい車両は従来より長い距離を走行しなければなりません。また、時間帯によって交差点の先から始まるUターン路が混雑し、たったひとつの交差点を曲がるのに予想以上に時間がかかることもあるでしょう。さらに、道路環境の整備や信号の増設・タイミング変更などもしなければなりません。
混雑や事故を減らすために必要なこと
交差点におけるトラブルや事故などを減らすためには、クルマやバイク、自転車や歩行者など、道路を利用する者同士が交差するポイントを減らすのが有効だといえるでしょう。
ただ、実際に交差するポイントを減らそうとすると、道路の変更や信号の増設、新たなルールの周知徹底などをしなければなりません。そのため、実現するためには多くの時間と多額の費用がかかるでしょう。