やっぱりいまはコーティング! ワックスのツヤが最高! クルマの「ワックスvsコーティング」論争を考える (2/2ページ)

ツヤを出すにもそれぞれの特性が異なる

■特性はどう違う?

 ワックスは、薄く表面に塗り広げられる作業性の良さと、固形化するとツヤが出て、水を弾いて水滴や汚れを表面に残さないという蝋の性質を活用して、塗装表面の保護と防汚、ツヤ出しのために使われていますが、皮膜が柔らかいので傷の防止には役に立たず、徐々にはがれてしまうため、効果が持続するのはだいたい2週間程度といわれています。

 一方でガラスコーティングは、本格的に施工するもので最高表面硬度が9Hもあるといわれています。これは一般的な鉄や窓のガラスと同等の硬さなので塗装表面よりはるかに硬く、傷が付きにくくなります。ただし皮膜は0.3〜1.0μ(ミクロン)と薄いので、強い圧力の傷は防げません。洗車機も推奨していないそうです。

 皮膜が強固に定着するため効果の持続性は高く、手軽なものでも2〜3カ月、本格的なものだと半年〜1年もつといわれています。

■施工の作業性や費用で比較すると?

 ワックスの塗布工程は、通常の洗車をおこなったあとで水分を拭き取り、ワックスを塗り広げて乾燥させたあとで磨くように拭き取って完了です。時間は慣れている人で乾燥時間を入れても2時間程度で完了出来るでしょう。

 誰でも手軽に短時間で施工できるのが最大のメリットといっていいでしょう。

 コストも低く抑えられます。代表的な「シュアラスター」の固形タイプで2500〜3000円程度で購入でき、乗用車で10回以上は施工できると思います。

 ガラスコーティングの施工は少し面倒です。表面に硬質な皮膜を形成させるため、施工の前に塗装面の状態をできるだけキレイに仕上げる必要があるようです。

 本格的なガラスコーティングでは、下地の施工プロセスだけで、洗車、鉄粉除去、油分除去、水のウロコ取り、ボディ研磨と、かなりの手間を掛けるメニューが用意されています。さすが専門店というところでしょうか。

 DIYのガラス系コーティングの場合は、ある意味硬質で薄いクリア塗装をおこなうようなものなので、本格タイプほどシビアに考える必要はありませんが、最低でも洗車と油分の除去をおこなわないと、効果持続時間に影響が出るでしょう。

 ガラス系コーティングの場合は、洗車と油分の除去が済んだらコーティング剤を塗布し、乾いた布で塗り広げるように拭き上げてから乾燥させます。

 そしてこの乾燥工程がコーティングの面倒な部分です。基剤の乾燥硬化は15〜40度の範囲がもっとも確実な皮膜を形成するようなので、最低でも24時間は水分の付着を避け、温度が高く保てるように日中は直射日光が当たるところで乾燥を待ちます。

 そのあとで完全硬化となるのは1週間程度必要で、その間は水分の付着はNGだそうですので、梅雨の時期は避けたほうがいいでしょう。

 費用に関しては、コーティング剤はピンキリですが、3000〜1万円の間がメインの価格帯のようです。そこに洗車や油分の除去クリーナー、数枚の拭き上げクロス代でプラス5000円程度かかりそうです。

 ちなみに本格的なガラスコーティングの場合は、工賃込みでだいたい10万〜15万円ほどかかるとのこと。

 昔ながらに、週末の洗車とクルマ磨きが楽しみのひとつだという人にはワックスがオススメです。なかにはワックス特有のしっとりとしたツヤ感が好みだという人もいたりします。

 こまめに洗車したりワックス掛けしたりするのが面倒で、爪や衣服などのスクラッチを防止したいという人は、多少費用を多く掛けてもガラス系コーティングの方がメリットを享受できるでしょう。

 今ではガラスよりコーティング性能が高いセラミックコーティングなんていうのもありますので、目的や予算に応じて選ぶといいでしょう。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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