感じた違和感は正しいこと多し!
●エンジンをかけさせてくれない
中古車によっては車検切れの状態で売られている場合もあります。あるいは運転にクセがあり、試乗が難しいケースもあります。しかし、停車している状態であれば、エンジンをかけることはできます。
超がつくほど貴重なモデルだったり、コンディションがいまひとつということもあるでしょう。何の説明や理由もなしにエンジンをかけさせてくれないとしたら、これは怪しいといわざるを得ません。
●書類が手書き
まさかと思うかもしれませんが、筆者も実際にありました。とある中古車販売店でクルマを購入したとき、いくら商談が進んでも見積書が出てきません。そこで「見積書をもらえますか?」と中古車販売店のスタッフにお願いしたところ、店舗の奥へと消えていきました。
その後、見せられたのは、今どきありえない手書きの見積書……というよりはメモ紙でした。よくこんなんで商売が成り立つなと思ったものですが、若気の至りでこの店舗からとある国産車を購入しました。
で、どうなったかというと、その後、手に入れたクルマはクラッチが滑り、エンジンからはオイル漏れ。ミッションにも不具合が。高い授業料を払いました。言うまでもなく、現在、その中古車販売店は跡形もありません。
●見積もりを見ると意味不明な諸経費がある
クルマの見積もりはさまざまな項目だらけ。多くの場合、合計金額や下取り額、値引き額(中古車ではゼロの場合も)など、主だった項目にばかり注意がいきがちです。そこに落とし穴があります。
「納車前準備費用一式」や「希望ナンバー取得手数料」、「ETCセットアップ費用」「オリジナル愛車セット」など、もっともらしい項目が羅列されています。やっかいなのが、いずれも数千円から数万円単位であることが多く、ほかの項目に埋もれてしれっと上乗せ、あるいは追加されていることがしばしばあるので、注意が必要です。つまり、ぼったくりである可能性も否定できません。
見積もりをもらったら、できるだけその場で決めず、いちどもち帰って適切な項目あるいは相場を調べたり、有識者にチェックしてもらうようにしてください。
●店舗や運営会社独自の保証制度の中身
最近は店舗や運営会社独自の保証制度を設けるところも増えてきました。問題はその中身です。納車後、購入したクルマに不具合があったとき、無償あるいは免責数万円〜の出費で対応してくれるという触れ込みです。
しかし、実際にはあれこれ理由をつけて「今回のケースは該当しないので実費請求となります」といわれたり、保証内容についても「中古部品で対応→リビルト部品で対応→社外純正新品部品で対応→純正新品部品で対応」といった具合に、よくよく文面をチェックしないと気がつかない内容が盛り込まれているケースも実在します。
●オプションの強制加入
1年間の延長保証制度やボディコーティング、メンテナンスパッケージなど、購入時に何らかのオプションの強制加入をさせるような中古車販売店も要注意です。
本来であればこれらのオプションは任意であり、オーナーとなる人が必要と感じたら加えればよい話。しかし、店舗側にとっては利幅が大きいだけに、何としてでも加入させたい品目なのです。一概にコーティングといってもピンからキリまであります。軽く洗車して下地処置をせず、そのままコーティングの液剤をボディに施工して拭き上げて完了(それでも見た目が綺麗になります)といったことも実際にあります。
●まとめ:「このお店、何か怪しい」の直感はほぼ正しい
訪れた中古車販売店が「このお店、何か怪しい」と感じたことがあるかもしれません。クルマ好きであるかどうかにかかわらず、この直感は大抵当たっています。
もちろん、このお店は大丈夫だと思って中古車を購入してみたら、じつは「いわくつき」だったということもありますが……。欲しいクルマが目の前にあり、あとは自分が決断するだけ。ここで保留にしてしまうと、ほかの人に買われてしまうかもしれない。「まぁ。大丈夫でしょ。なんとかなるでしょ」と思いたくなる気もちも痛いほどわかります。
あとあと「ホラ、いわんこっちゃない」とならないよう、こういうときは「ストッパー役」の人を連れて行くと心強い味方となってくれます。友人や家族、クルマに詳しい人であればなおよろし! ですが、人を見る目に長けているとさらに心強いです。
冷静な分、落ち着いて状況を見定めています。そして「ヤバイ、どうしよう〜。買っちゃおうかな〜」と、完全に舞い上がっている有頂天気味なあなたに強烈なひとことを放ってくれるはずです。