この記事をまとめると
■バンコクのタクシーが徐々に中国系BEVへと置き換わっている
■中国系BEVタクシーの乗り心地は明らかにトヨタ・カローラアルティスよりも劣っている
■タイで中国系BEVタクシーの普及がどこまで進むのかが楽しみだ
バンコクで増えてきた中国系BEVタクシー
取材のためにタイの首都バンコク近郊にある、スワンナプーム国際空港に午前3時ごろ到着した。仮眠するために空港近くの格安ホテルを予約してあったので、タクシーで移動することにした。空港からの近距離移動では、日本において嫌な経験(運転士から嫌味をいわれた)をしていたので気が進まなかったのだが、一刻も早くホテルへ向かいたかったのでタクシー乗り場へ行くと、「近距離専用」というコーナーがあった。近づくと声をかけられたので宿泊先を伝えると、女性ドライバーのあとをついて行くように指示され、料金メーターを入れずに均一料金と思われる200バーツ(約800円)を要求された。メーター料金よりは高いのだが許容範囲なので了承してタクシーに乗り込んだ。
車窓からタクシー乗り場で待機している車両を見ると、2023年12月に訪れたときに比べて明らかにBEV(バッテリー電気自動車)タクシーが増えていた。以前はバンコク市内でBEVタクシーといえば、中国BYD(比亜迪)の古い世代の「e6」というBEVタクシーがメインであった。また2023年12月にバンコクを訪れたときには、上海汽車系のMGブランドからフリート販売向けとしてラインアップされている、モデルとしては古い「EP」というステーションワゴンタイプのBEVも増えていた。
ちなみにタイでのタクシーは、登録した運転士(タイ国民のみ)がタクシー会社などから車両を借りて営業運行するスタイルとなっている。
タクシープールでの風景に話を戻すと、地域によっては次世代e6としてラインアップしているモデルや、2023年12月に開催された「バンコクモーターエキスポ」で広州汽車系の「AION」が展示していたフリート販売向けBEVセダンとなる「ES」のタクシーも走っていた。
今後、タクシー車両を入れ換える際にはBEVしか行政当局が認めないといった情報も聞いていたので、いよいよ入れ替えが始まったのかなどと思っていた。