クルマと離れていても愛車を感じられる……ハズ! 愛車と合わせて楽しみたい自動車メーカーが手がけた香水4選 (2/2ページ)

過去にはマツダが資生堂とのコラボ香水を販売!

 続いては、車内に設置できるアロマディフューザーの種類が豊富なことでも知られるメルセデス・ベンツ。じつは身体にまとうための香水も、さまざまなラインアップが展開されています。ボトルにはもちろん、スリーポインテッドスターがあしらわれ、どことなくクルマのキーを彷彿とさせるデザイン。

 高品質で洗練されたクルマのブランドイメージをそのまま受け継いでいます。とくに、日本限定フレグランスの「メルセデス・ベンツ マン ブルー」はひときわデザイン性がよく、清潔感のあるクリアな香り。プレゼントにも喜ばれそうです。

 そして、日本メーカーでは、同じく日本の老舗メーカーである資生堂とタッグを組んだマツダの香水が印象的です。その名も「SOUL of MOTION」で、生命感をカタチにするというマツダのデザインテーマ「魂動」を香りとボトルデザインで表現することに挑戦した「アート作品」となっています。

 資生堂とのコラボは、「香りを芸術まで高めたい」という資生堂の初代社長・福原信三氏から受け継がれる精神と、「クルマはアート」とするマツダデザインの志が共鳴したことによって誕生。資生堂は当時、創業144年でデザイン部と研究所ができて100周年の節目の年ということもあり、視覚に訴えるデザインと香りのコラボレーションにチャレンジしたそう。

 クリエイティブコンセプトは「emotional simplicity(削ぎ落とした先の凝縮された興奮)」で、静寂のなかに凛とした佇まいと毅然とした品格を漂わせる香り。ただ、そこに至るまでにはとてつもない試行錯誤があったといいます。最初は、クルマに乗ったときの高揚感を表現した爽やかなシトラス系の香りを資生堂側から提案したところ、「ありきたりな香り。チャレンジではない」とあっさり却下。逆にマツダ側から「金属的な香りにできないか」と提案されたとのこと。一般的に香り業界では金属的な香りはよくないとされているのですが、それを逆手にとって心地よい金属的な香りを完成させたいと、あえて茨の道を進んだのだそうだ。

 最終的には、魂動の強さをウッディノート、生命感をレザーノート、情熱をローズで表現し、ライム系でシャープさを、カシス系でグリーンな堅いイメージを加え、メタリックでありながら心地よい香りを完成させたといいます。

 実際にこの香水を使ったユーザーからは、「ソウルレッドっぽさを感じた」といった感想が寄せられ、クルマファン、マツダファンにふさわしい香水に仕上がっているようです。

 また、ボトルデザインにもこだわり、シンプルなガラスのボトルをステンレスのカバーで覆っています。一見すると太めのシフトレバーのようでありながら、流れるようなフォルムがアート作品としての存在感を高めています。SOUL of MOTIONの価格は1万5000円(税別)で、限定1150個が販売されました。

 ということで、自動車メーカーの香水はどれも作り手の想いが詰まった、クルマ好きの心に響く香りになっているようです。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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