この記事をまとめると
■自動車メーカーが関係している香水を4つ紹介
■欧州メーカーの多くがブランドのイメージにあった香りを追求
■過去には日本のマツダが資生堂とのコラボで香水を販売していた
自動車メーカーのイメージを「香り」で表現!
道ですれ違った人や言葉を交わした相手から、一瞬ふわりとただよって鼻腔をくすぐる香り。それによって懐かしい人や場所を思い出したり、その人の好みや人柄がなんとなく想像できたり、香りっていろんな作用があるものですね。
クルマと香りの関係でイメージするのは、車内に置く芳香剤やアロマかもしれませんが、じつは自動車メーカーが出している香水があることをご存じでしょうか? 香水は16世紀頃に生まれ、ヨーロッパから広まったといわれていますが、やはりその本場であるヨーロッパの自動車メーカーからは多数の香水が販売されています。
まずは、イギリス生まれのジャガー。「クルマ愛好家の想像力を掻き立てるブランド」として、ジャガーフレグランスは革新的なパフォーマンスやモダニティというジャガーの美学をそのまま受け継いでおり、ダイナミックな香りを纏う喜びを表現しています。
香りの種類も豊富で、フレッシュで魅惑的な堪能とアロマの香りの「クラシック」、爽やかさと安心感に包まれる香りである「ライト」、太陽に照らされた雨粒が反射するアスファルトを想像して調香したという「ペース」、洗練されたラグジュアリーを堪能する「ヴィジョン」などなど。なかでも「レッドライン」は日本限定フレグランスで、忙しい毎日に爽快さと安らぎを感じさせる香りとなっているそうです。
続いて、イタリア生まれのスーパースポーツカーブランドといえば、フェラーリ。フェラーリそのものの名を冠した香水も販売されていますが、クルマ好きにぜひおすすめしたいのは、エンツォ・フェラーリの右腕としてボディ製作を手がけ、フェラーリ250GTOをはじめディーノ206GT、308GTBといった名車を送り出してきた「カロッツェリア・スカリエッティ」の創業者セルジオ・スカリエッティを祖父に、オスカー・スカリエッティを父に持つ、シモーネ・スカリエッティ氏が手がける香水です。
幼い頃から工房に出入りし、エンツォや歴代F1ドライバー、著名人が訪れる工房で多くの体験をしたシモーネ氏は、のちに母が手がけたオーガニックフレグランスブランドを手伝うようになり、工房での思い出を香りで表現することを決意したといいます。そして3年の月日を費やし、4つの香りを完成させたのです。
「RACING GREEN」は、伝説のスイス人F1ドライバー、クレイ・レガッツォーニがスカリエッティ家を訪れた日の思い出を表現。「RACING STEEL」は女優のイングリッド・バーグマンと映画監督のロベルト・ロッセリーニの出会いを表現。彼女たちは自分がオーダーしたクルマを見学に、工房を訪れたそう。「RACING ORANGE」は1957年型250テスタロッサの美しいボディを創り出した祖父に捧げる香り。「RACING YELLOW」は、カナダ人ドライバーのジル・ヴィルヌーブがスカリエッティ家を訪れた夏の日曜日に、母が心を込めていちじくのタルトを焼いている姿と、その幸せな光景を表現した香り。
どのエピソードも、どんな香りなのか興味津々、ワクワクしてきます。当時のアルミ缶をイメージしたというパッケージも、とてもオシャレです。