「走り屋」「アウトドア派」「サーフ&スノー派」全部に愛された! 初代セリカ・リフトバックのカッコ良さがいま見てもヤバい (2/2ページ)

デザインと走りだけじゃないセリカLBの魅力とは

 じつは、そんな車両形式RA25-MQ、セリカLB2000GTが、2022年に開催された東京アウトドアショーで復活!? していたのだ。おっと、正しくは、トヨタのサブスク、KINTOがレストアした「Vintage Club by KINTO」の1台として展示されていたのである。ボディカラーは70年代に人気だった、いまではアースカラーと呼べるモスグリーン。しかもこれまた当時のモディファイで人気だったオーバーフェンダー付きである。

 しかし、なんで東京アウトドアショーに展示されていたのかというと、その理由は、そもそもセリカLBは1970年代のアウトドアライフ志向の高まりから、”多用途に使えるスポーティ車”として開発されたモデルなのである。

 その多用途性を具体化していたのが、LB=リフトバックの車名が示す大きなテールゲートを備えたラゲッジルーム。テールゲートを開けると大開口のラゲッジルームが備わり、しかも、可倒する後席を倒すと、なんとなんと、ほぼフルフラットかつ広大なラゲッジルームが出現。

 アウトドアグッズ、サーフボードなどの積載が、1970年代のファストバックモデルにして可能なのだった。さすがにその拡大ラゲッジルームの寸法は持ち合わせていないが、開口部に大きな段差はあるものの、シートアレンジによるラゲッジルームの広さはLBならではのセールスポイントとなっていたのである。

 補足すれば、ボンネットを開けると2000GTの場合、真紅のエンジンヘッドカバーがその高性能をアピール。走り屋から、1970年代のSURF & SNOW愛好家、アウトドア派にまで愛された(はずの)イケイケのマルチユースな1台だったというわけだ。

 1977年には2代目となり、リフトバックと2ドアクーペが存在したが、初代LBのようなカッコよさ(筆者の印象)はなかった。

 なお、トヨタ・セリカはその後、ホイチョイの映画「私をスキーに連れてって」で脚光を浴びた、これまた雪道でイケイケだったGT-FOURを揃えた4代目を経て7代目まで続き、2006年に販売を終了。36年の歴史に終止符を打っている。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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