煙幕にドアハンドルの電気ショックの007パッケージってナニ!? コルベットを1000馬力に仕上げた「ビースト」がもはやSFアニメのクルマだった (2/2ページ)

内容がぶっ飛んでいるオプション「007パッケージ」

 と、これだけなら「ああ、アメリカの金持ち向けモンスターマシンだよね」と冷ややかな表情を浮かべる方もいるでしょう。が、レズバニが用意したその名も「007パッケージ」なるオプションには誰もが言葉を失うはず。

 まずはネーミング通り、あたかもボンドカーに装備されていそうなスモークスクリーンは、文字どおり、ボタンひとつで後方に煙幕を張るデバイス。不意の追跡者をまくのに最適です。そして、悪者から愛車を守るためのセキュリティとして「磁気デッドボルト&エレクトリックドア」。こちらもアメリカではわりとポピュラーで、くせ者の接触・侵入をしっかりと防いでくれるはず。

 フロントとリヤに装備した「ショッキングフラッシュ」もまばゆいばかりの閃光を発し、賊の目をくらませるという仕組み。ミリタリーグレードのランフラットタイヤや、紛争地域に入っても有効なほどの防弾装備も当然のように用意されています。

 007パッケージのなかでもとりわけ驚かされたのが「EMPプロテクション」なる装備で、車両の電気システム全体を対象とした世界初の電磁パルス(EMP)保護技術。電磁パルスとは、核爆発後に放射され、電子機器を動作不能にするもの。

 軍用規格を超えることが証明されているEMPシールドは、世界最速のサージ保護デバイスだそうで、レズバニ(とパートナー企業のEMPシールド LLC社)は、連邦政府機関と協力して、EMP攻撃から防御! とのことですが、ビリオネアがギャングやテロリストから身を守るためのスモークや磁気デッドボルトはともかく、EMPって核戦争でも想定しているのか大げさといえば大げさでしょう(笑)。

 が、現在のアメリカではハイパフォーマンスやスタイリッシュというだけではスペシャルカー市場で勝ち残れないのかもしれません。

 ところで、C8ビーストの価格は007パッケージ抜きで48万5000ドル(約7600万円)、20台限定だそうです。それにしてもタイヤスモークでなく、煙幕をまき散らしながら猛スピードで走り去るビーストって見てみたいですよね。出でよ、日本人ビーストオーナーってことで期待しちゃいましょう!


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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