SAのほうが豪華でPAは簡素……ってワケじゃない! 高速のサービスエリアとパーキングエリアの違いとは? (2/2ページ)

PAは必要最低限でSAはより豪華な設備がある

 国土交通省の見解でも、「高速道路の休憩施設は、提供するサービスの内容、休憩施設相互の位置関係によりサービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)に区分しています。一般的にはサービスエリアには休憩所、駐車場、トイレに加え売店、食堂、給油所などが備わっており、パーキングエリアには駐車場、トイレ、必要に応じ売店が備わっております」となっています。

 設置される場所についても、高速道路各社の見解によると、「PAはだいたい15km間隔にひとつ、SAは50km間隔にひとつを目安に設置することになっています(ただし、路線の特徴などを総合的に勘案して設置する場所を決めるので、必ずしもこの距離ごとにあるわけではありません)。高速道路を建設するとき、この目安にもとづいて、前後のSA・PAの立地状況を見ながら、新しく作る休憩施設がSAなのか、PAなのかを計画します。開通後にSA・PAの施設・提供するサービスの内容が変わったからといって、呼び方がSAからPAに変わったり、PAからSAに変わったりはしません」ということだそうです。

 ところが近年は、昔と比べて高速道路の交通量が増えていることや、SAやPAを利用して高速道路への出入りが可能となったスマートICの設置、一般道からも利用できるように駐車場が併設される施設が増えていることなどによって、その役割が変わりつつあると考えられます。

 たとえPAであっても、昔よりたくさんの人が訪れるようになれば、休憩だけでなく食事や買い物、そのほかのサービスの需要が増え、その集客力を利用して行政などが観光スポット化を計画することも。佐久平PAはその一例といえるでしょう。

 また、関越道の三芳PAは、当初はPAとして設置されたにもかかわらず、関越道でもっとも東京寄りに位置するなるため、「都内/首都高に入る前に寄っておこう」と立ち寄るクルマが多く、食事や休憩のための施設が拡充されていき、SA並みの充実度となったそうです。

 いずれにしても、その土地その土地の特色あふれるSAやPAは、ドライブ中の楽しみのひとつ。これからもおもてなし精神を感じられるような施設が増えることを願います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

新着情報