エンジンブローは油圧管理で防げる!
そして、油圧計はエンジンを壊さないための保険的な存在。油圧は下がることに問題がある。もし油圧が下がると、エンジン内部を潤滑できなくなり、金属が摩耗して最終的にエンジンが壊れてしまう。油圧が下がる原因としては、オイルラインからオイルが漏れてしまうことや、最近よく耳にするのはオイルパンのオイルを吸い上げられなくなってしまうことだ。
エンジンオイルは国産車で一般的なウエットサンプ方式の場合、ポンプで汲み上げられてヘッドなど各部に供給される。そこから重力で落下してオイルパンに戻ってきて、再びオイルポンプに吸われて循環される。このときにオイルパンに溜まっているオイルの量が少ないと、オイルポンプが吸い上げられず各部にオイルが供給されない。このときに油圧が下がるのである。
この油圧ドロップの原因はオイルの量が少ないことのほかに、サーキット走行で強い前後左右のGがかかって、オイルがオイルパンの内部で片寄ってしまい吸えなくなってしまうことが挙げられる。
こういった現象は油圧計がなければわからないため、油圧計の存在は重要というわけだ。さらに、コーナリング中はメーターを見る余裕もないので、油圧が下がったときにアラートが鳴るタイプがオススメ。水温や油温は数値が高くなったときにアラートが鳴ればいいが、油圧だけはその逆だ。
サーキット走行でエンジンを壊す原因としてかなり多いのがこのGによる油圧低下だ。慢性的な油圧低下は純正メーター内にもアラートが出るが、一瞬の油圧低下では光らないことが多い。その油圧低下の積み重ねでクランクメタルなどが焼き付いてしまうことがあるのだ。
そのため、追加メーターさえあれば防げるトラブルである。もし、コーナリングやブレーキング時に油圧が下がるようであれば、多めにオイルを入れるとか、もっと低い粘度のオイルを入れて早くオイルパンに戻るようにする、オイルパンバッフルを装着するなどで対策ができる。
ぜひとも追加メーターを有効活用して、未然にトラブルを防いでいただきたい。