この記事をまとめると
■カー用品店のホイールコーナーやホイールカタログにハブリングという商品が存在する
■社外のアルミホイールのハブに装着してホイールを確実に中心に装着するアイテムだ
■センター出しを確実に行うことで走行性能が安定する
タイヤコーナーに数百円で売ってる鉄の輪っかは何に使う?
カー用品店のホイール&タイヤコーナーの片隅、あるいはホイールメーカーのカタログの最終ページ付近に、「ハブリング」というパーツを見たことがないだろうか。
アルミなどの金属製のシンプルなリングなので、使い道が「???」という人もいるだろう。これは、ホイールのセンターハブにはめるためのパーツで、「ハブセン(ハブセントリックリング)」とも呼ばれている。
その目的は、純正品以外のホイールをクルマのセンターハブに固定し、ホイールの「センター出し」をすることにある。
もう少し詳しく説明すると、純正ホイールは車体のセンターハブと、ホイール中心のセンターホールの径がピッタリ一致するようになっているので、ホイールを車体にはめれば、自然にホイールのセンターが出るように設計されているのだが、社外品のホイールはそうではない。
車体側のセンターハブの直径は車種やメーカーによってマチマチで、だいたい54~67mmの範囲で散らばっている。そのため、ホイールメーカーがアフターパーツ用のホイールを作るときは、汎用性を考えてセンターホールの直径を70〜73mmぐらいに設定して製品化することが多い。
このため、社外品のホイールでは、センターホールで「ホイールのセンター出し」ができないのが実情だ。
「センターホールとセンターハブのクリアランスがガバガバだって、ホイールナットがテーパーナットなんだから、ナットを締め込んでいけば、自然にセンターが出せるのでは?」と思うかもしれないが、じつはそれがなかなか上手いこといかない。
実際、センターホールの広いホイールを、ナットを締めずに車体側にはめると、スタッドボルトに載っかっているだけの状態になり、手で押さえていないとタイヤの下側が浮いてきてしまう……。
そのような状態でナットを締めていくと、構造上どうしても若干芯がずれる。
エンジンのクランクシャフトの芯出しや、クラッチを組むときの芯出しが重要なように、回転体としてはとても大きなタイヤ&ホイールの芯出しだって、本来妥協していいわけがない。
ちなみに、ホイール(タイヤ)を車体に取付ける際、そのセンターが0.3mmずれると、ホイールのバランスウエイトでいえば、約30gのアンバランスに匹敵する振動が生じるともいわれる。
そうしたホイールの偏芯取付け防止に役立つアタッチメントパーツが、ハブリングというわけだ。
センターホール径が大きいアフターパーツのホイールに、ハブリングを入れることで、センターハブとセンターホールの隙間をなくし、純正ホイールと同レベルのセンター出しが可能になる。
車重別のハブリングも発売されていて、価格も割と安価なので(1個500円ぐらい~)、ドレスアップなどで社外品のホイールを購入したら、ハブリングもセットにしておくと、絶対に損はしない。
小さな何気ないリングだが、効果絶大なパーツなので、惜しまず装着して(もちろんサイズは要確認)、精度の高いセンター出しを実現させよう。