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ウソだろ! そんな開き方!? 個性にもほどがあるドアをもつクルマ5台 (1/2ページ)

ウソだろ! そんな開き方!? 個性にもほどがあるドアをもつクルマ5台

この記事をまとめると

■ドアの開き方が個性的なクルマたちを紹介

■個性的すぎるが故に使い勝手が犠牲になっているモデルもある

■国産車でも挑戦的な機構を取り入れたクルマがあったが、評判が分かれて廃止になった例も

ドアのクセが強すぎるクルマたち

 クルマのドアは乗り降りをする際に必要なものですが、デザイン的にはなるべく開口部が目立たないほうが美しかったり、安全性や走行性能的には開口部が大きいほど不利になってしまうなど、自動車開発においてはなかなか頭の痛い存在でもあるようです。

 開き方にもさまざまあり、主流となっているのはドアノブを引くと手前に開くヒンジタイプのドアや、押入れの襖のように横に滑らせて開けるスライドドア。でも、なかにはどうやって開けるのかわからないような珍しいタイプや、「どうしてここにつけたの?」と不思議になるようなドアもあります。今回はそんな、ちょっと変わった開き方をするドアを持つクルマをご紹介します。

 1台目は、後にも先にもおそらくこんなドアはないだろう、BMW Z1の「下にさがって格納されていく」ドア。1987年に発表されたZ1は、2シーターオープンスポーツカーとして華々しいデビューを飾り、2.5リッターの直列6気筒エンジンを搭載した先進的かつスポーティなスタイリングをしたモデルでした。

 ソフトトップの幌で、ドアが閉まった状態では一見すると普通のオープンスポーツカーなのですが、よくよく見ると……? ドアノブがどこにも見当たりません。それに、ドアの後ろ、リヤフェンダーの上あたりに丸いボタンのようなものがあります。

 じつはそれこそがZ1のドアの秘密で、ボタンを指で押してみるとスルスルと窓ガラスがドアパネルに格納されると同時に、ドアパネルが車体の下の方へ沈んでいくではないですか。これには見ている人もみんなビックリ。BMWの革新的技術によって実現したドアですが、サイドシルが高めに設置されており、そこに格納される仕組みとなっていました。

 実際のユーザーからは、サイドシルが高いので乗り降りがしにくいと、あまり好評ではなかったようですが、安全性に関してはその分厚くガッシリとしたサイドシルが功を奏して、ドアを開けたままで走行しても十分な安全性が保たれるといわれていました。そんなクルマもなかなかないですね。

 2台目は、ガルウイングといえばランボルギーニが有名ですが、斜め後方に引き上がるように開くシザースドアとは違って、まさに鳥が羽を広げるように開くドアが、テスラ・モデルXのファルコンウイングドア。モデルXは3列シートも選べるクロスオーバーSUVのため、後席の乗降性を考慮して生まれたドアなのですが、マンションの立体駐車場など狭い場所でも開閉できるよう、さまざまな工夫があるのも特徴です。

 というのは、羽を広げるといっても最初から横に開いてしまうと開閉に場所を取るので、最初はドアが折り畳まれたまま上昇していき、上の方でゆっくりとドア先端部が跳ね上がっていくようになっているのです。おかげで、ドアの横に30cm程度のスペースさえあれば乗り降りが可能。

 しかも、電動操作で障害物センサーが付いているため、屋根付き駐車場などで屋根や壁に当たりそうになると自動で停止するので安心です。

 3台目は、英国の貴族たちがその昔、狩猟犬を伴って狩りに行く際に使ったのが始まりという、シューティングブレークをテーマとしてデザインされた、NEW MINIとなってからは初代となるMINIクラブマン。一見すると2ドアのクーペモデルのように見えるのですが、じつは後席と十分な広さのラゲッジがあり、よく見れば運転席側にもうひとつ、小さなドアが隠されています。これは運転席側のドアを開けてからでないと開閉できない、クラブドアと呼ばれるサブドアのこと。観音開きで開けることができ、後席へのアクセスがちょっとスムースになります。

 その後、フルモデルチェンジしたクラブマンは一般的な5ドアになったため、あまり使い勝手がよかったとはいえないようですが、いつも1〜2人で乗るから2ドアでクーペ的に使いたい、という人にはこの小さなサブドアがアクセントとなり、MINIらしい個性や遊び心の象徴となっていたのでした。

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