この記事をまとめると
■新車購入時期として「新型登場直後」か「モデル末期」かが話題になる
■今後は金利上昇の懸念があるため早めに購入を決定したい
■普段から情報収集をして、今後は「決め打ち」で商談を進めることが肝要だ
最新モデルか熟成の先代モデルかで意見がわかれる
新車購入を語る上で長年、「新登場したばかり(モデルチェンジも含む)に買うか」、「モデル末期に買うか」ということが話題となっている。これは、「新規投入車やフルモデルチェンジ直後」では、車両本体価格などからの値引きが引き締められているが、登場したばかりなので現行モデルとして乗っていられる期間が長く、下取りなど売却時も再販価値が高くなる傾向であるのに対し、「モデル末期」では購入直後に新型車が出てしまうこともあり、車両本体価格などからの値引き条件が大きく割安で購入するとができるという違いがあるとされているため。
モデル末期を狙って新車を購入する人は10年以上乗り続けるという傾向があり、いわゆる「乗り潰し派」が多いので、再販価値は気にしないのでモデル末期がお買い得だという話がある。しかし、最近は働き方改革などもあり、工場からディーラーへの出荷、そしてディーラーでの納車準備などに時間がかかり、出荷から納車までに2カ月ほどかかることも珍しくない。これにより、新型車が街なかを走るようになってから納車されることも可能性としては十分にあり、結果的に乗っていて飽きるのが早くなり、乗り換えタイミングが当初予定より早くなるというリスクもはらんでいる。
そもそも最近は、人気車ほど納期遅延が続いており、そのなかでモデルチェンジが行われるとなると、半年以上前からバックオーダー消化のためにオーダーストップ、つまり新規発注できないことになるので、モデル末期という時期の見極めが難しい。
ディーラーで見込み発注し、オーダーストップ後も豊富に在庫を持って販売を続けるということも現状ではまだ厳しい状況のようにも見える。モデル末期に在庫を抱えているからこそ、値引きを拡大してでも売却しようとするのだから、そもそも論として「モデル末期は値引きが拡大」は成立しにくくなっているのである。
さらに販売現場では、「今後はとにかく新車が欲しいと思ったとき、できるだけ早めに行動を開始して購入することをすすめる」といった話をよく聞く。これは、とくにローンを組んで新車購入を検討している人にとっては、金利上昇懸念があるからだ。
筆者が4月上旬に販売現場をまわったとき、某メーカー系ディーラーではすでに0.8%ほど金利がアップしていた。2024年3月下旬に日銀(日本銀行)はそれまでの「マイナス金利政策」の解除を決定した。するとその直後からメガバンクの一部などが預金金利の引き上げを行っている。これと同時にローン金利の上昇懸念も出ていた。
現状のディーラーローンは、顧客の囲い込みなどの販売促進ツールとして位置づけ、メーカー系信販会社の残価設定ローンを扱っていることがほとんど。顧客囲い込みという目的もあるので、即金利アップはないとも考えていたが、実際まわってみると、すでに金利アップがしていた。
話を聞くと、日銀の政策決定の影響というよりも、「政府の強い意向もあり、賃金アップによるコストアップの吸収という意味合いのほうが大きいようだ」とセールススタッフは説明していた。