この記事をまとめると
■「セトリントンカップ」とはイギリスのグッドウッドで開催される子どもだけのレースだ
■オースチンJ40のビンテージペダルカーを使用し、参加資格は5~10歳の子どものみ
■「セトリントンカップ」では服装や装備なども厳格に決められている
グッドウッドを子どもが駆け抜ける!
イギリスのグッドウッドスピードコースで開催される「グッドウッド・リバイバル」はクラシックカー好きにとってはたまらないイベントかと。3日間にわたって繰り広げられるコンテンツには、GTクラスのスターリング・モス・メモリアルトロフィやF1を走らせるリッチモンド&ゴードン・トロフィといったお宝のようなマシンがガチでバトルするものばかり。ですが、ここに子どもたちだけがエントリーできるクラシックカーレースがあると聞いたら驚かれるでしょうか。
「セトリントンカップ」と呼ばれるオースチンJ40のビンテージペダルカーで競われるレースで、参加資格は5~10歳の子どものみ。むろん、男女は問われません。前述のクラシックマシンのガチバトルに負けず劣らずの盛り上がりを見せており、上位入賞者はグッドウッド・リバイバルの人気コンテンツ「グリッドラン」(単独で特設のシングルトラックを走行し、タイムも正式に計測されるようです)での走行もできるとのこと。
いかにも格式好きなイギリス人が考えそうなレースですが、実際のレギュレーションは冗談抜きに厳密なもの。たとえば、参加資格のあるペダルカーは1950年代に設立されたJ40モーターカンパニーが製造したもので、ペダルのギヤやタイヤ、あるいはベアリングなどの改造は一切不可。
となると「ペダルカーとはいえ、60年も経ったオモチャなんて危なくって乗せらんないよ!」などと聞こえてきそうですが、ここらもクルマ文化の発達したイギリスらしくJ40ペダルカー専門のレストアファクトリーが数軒存在するとのこと。小憎らしいことにレストア費用もバカにならず、ちょっとした小型車が買える値段になることも少なくないのだとか。なにしろ、ペダルカーレースなのにライトとクラクションも機能しなくては車検にすら通らないのですから。
また、セトリントンカップへの注目度が上がったために、中古のJ40ペダルカーの市場価格も急上昇! 4000ポンド(約80万円)という値付けも珍しくなくなったといいますから、子どもの遊びというには値が張ります。が、そこはクルマ好きなパパやじいちゃんが集まる夢の国グッドウッドですから、プライスレスということにしておきましょう。