フォーミュラ・ジムカーナ・ドリフトからラリーに挑む! モリゾウチャレンジカップに集結する若き才能たち (2/2ページ)

さまざまなモータースポーツ出身選手たちによるフレッシュな戦い

 また、Ahead Japan Racing TeamのGRヤリスでMCCに挑む20歳の稲葉摩人選手もフォーミュラ経験を持つドライバーで「10歳から中学生ぐらいまでカートをやっていまして、高校生のときにフォーミュラ(注:スーパーFJ)を始めました。そのまま2022年まで活動していました」と語る。

 稲葉選手は2023年のTGRラリーチャレンジでコ・ドライバーとしてラリー競技にデビューしたが、「ドライバーとしてもラリーに出てみたくてMCCに参戦しました」とのこと。こうしてドライバーとしてラリー競技へデビューした稲葉選手によれば、「ペースノートはコ・ドライバーの経験もあって慣れてきたし、絶対的なスピードはフォーミュラのほうが速いので恐怖感はないんですけど、ブレーキの使い方やデフの使い方がフォーミュラと4WDターボは違うのでそこが難しい」と語る。

「荷重移動とか、そういったセオリーはフォーミュラもラリーも同じなんですけど、タイヤの使い方を含めて違うので苦労しています。それでも、毎回がチャレンジなので楽しいです」と語る稲葉選手は久万高原ラリーで安定した走りを披露し、MCCで4位完走を果たした。

 一方、FIT-EASY RacingのGRヤリスを駆る24歳の最上佳樹選手はジムカーナ出身のドライバーで、「大学2年のときに自動車部でジムカーナを始めました。昨年はインテグラで全日本ジムカーナ選手権に参戦して開幕戦で勝つことができました。今年はMCCで初めてラリー競技を始めましたが、ラリーと重ならないときはジムカーナにも参戦しています」とのことで、最上選手はラリーとジムカーナの二刀流で戦っている。

「4WDターボは初めてなんですけど、GRヤリスは意外と乗りやすい。でも、ペースノートドライブに苦戦していて、言葉の選び方が難しいし、そもそも同じ舗装の上でもジムカーナと違ってラリーは林道を走るので攻め方がまったく違います」と最上選手は苦戦。それでも最上選手は久万高原ラリーで素晴らしい走りを披露しており、MCCで2位入賞を果たした。

 このように、全日本ラリー選手権のMCCには、さまざまなカテゴリーから若き才能が集結。もちろん、2021年の全日本ラリー選手権でJN3クラスのチャンピオンに輝き、トヨタの若手育成プログラムによりフィンランドでラリー活動を行っていた大竹直生選手や2023年の全日本ラリー選手権でJN2クラスでの優勝経験を持つ山田啓介選手など、ラリー競技で活躍してきたドライバーも活躍中で、まさに多彩な顔ぶれがステップアップを目指して国内最高峰シリーズにチャレンジしている。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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